「人間は、生きただけで素晴らしいんだよ。」
俺の名前は坂巻翔。俺はもとから体が悪くて、ついにある病気で余命半年と言われた。 第一に生まれてきた感情は、「ショック」じゃなくて、「あきらめ」だった。 はっきり言うと、俺はこの体がいやだった。 いつも、いつも、せきこんで体育なんて出来なかった。 ほこりとか吸っちゃいけないからそうじも出来なかった。 だから、この体からはなれられると思うと少しうれしいけれど頭の中では死にたくないという気持ちが右往左往していた。 私の名前は伊藤理沙。私は最近、急に立ちくらみや腹痛がよく起きた。 でも、昨日学校でついにたおれてしまい重い病気を見つけるのがおそすぎてもう手をつけられない、と医者から言われた。 余命は1年。 もう、どうするも何も悲しかったしもう少しはやく行っとけばな・・と後悔もたくさん生まれた。 でもなってしまったのはしょうがないから。 そんな考えも頭にうかんだ。 でも、あきらめたくなかった。わたしが「生きる」ことに。 もがいても、かっこ悪くても、生きたかった。 もう少し家族と過ごしたかった。友達とたくさん遊びたかった。彼氏ともたくさんデートしたかった。 そんな無駄な考えが頭の中でポンポン生まれていく。 俺は、残り半年病室で過ごすことにした。でも、いつもと違うのはどこに行こうが病院内だったら自由だ。 俺の部屋は297号室。4人部屋だった。 ここは、中学校の人が大体集まるから、静寂を保っていた。 お母さんは俺が決めた「死ぬまでここで過ごす」という考えを尊重してくれた。 お父さんも、同じ反応だった。そのかわり、毎日午後3時位から来るね、と言っていた。 その時、また新しい人が横の部屋に入ってきた。 どうやら、女の子らしい。声が高い。 耳をすまして看護師さんとの話を聞いてみると、どうやらこのリサ・・?という人は余命1年で3カ月くらいはここで過ごすらしい 俺とほぼ同じだな~と思いながらその日は病院の庭へ散歩へ行った。 私は、悲しかった。 もう、そんなネガティブな事がぽつぽつ涙と一緒にうかぶ。 もっと、遊びたかったな。死にたくないな。 とりあえず、3カ月間わたしは自由だ。病院の中だったらいくらでも歩いていい。 私は緊急時用のナースコールをポケットにつっこんで、病室をあとにした。 俺は、エレベーターホールでエレベーターを待っていた。 すると、横から暗い顔をした女の子が現れた。 ポケットにナースコールをつっこんで。俺と同じ。 そう思ってすこし見ていると不審に思ったみたいで、 「なんですか?」 と聞いた。俺は思わず、 「えっと、あの。俺と同じ立場なんだな。と思ったんです。余命宣告されてますよね?自由行動ということは。」 女の子は少しだまって、 「会ってからいきなりそれ?w面白いね君。そうだよ。私も余命宣告されたの。一年。」 「俺は半年です。」 女の子はこぼれでた涙をふいて俺に質問した。 「君、何て名前?『君』じゃ失礼だし。ちなみに、私の名前は伊藤理沙。『りさ』って呼んで。中3。」 「俺の名前は坂巻翔です。気楽に、『かける』って呼んでください。中2です。」 とりあえず、涙があふれている彼女に俺のお気に入りの庭へと案内した。 理沙は、庭につくとテラスの椅子にすわって笑顔で「ありがと。」と言った。 俺は今、呼吸マスクをつけて1週間ほど過ごしている。 体調が急変したので予測だと明日から「山場」に入る。 それから一週間の間に俺は死ぬ可能性が一番高いとされている。 死ぬ事はどうでもいい。 けれど、最期昨日帰った理沙に一度目を通してから、死にたいな。 親も、友達も、全員感謝したが、理沙だけにはまだ感謝していない。 ああ、でも俺もう息苦しくなってきてしまったからそう長くは無いだろう。もって一日あたりかな? まあ、理沙が来ることなんてきっと99%ないけれど そう思って目を閉じようとしたとき。 病室の外からドタドタッ、と音がした。 走る音だろう。理沙によくにている。 その瞬間、カーテンが乱暴にあいた。 「翔!」 はあはあ、と荒く息つぎをしながら理沙が来た。 「理沙だよ!覚えてる?」 覚えてるよ、そう言おうとしたとき。横の心拍の機械が鳴り始めた。俺は、意地でも遠くなりそうな意識を保ち言った 「理沙、今までありがとう。大好き。」 そう言うと安堵感と、死んでしまう悲しさ。これを初めて感じた ああ、こんな気持ちだったんだ。理沙。俺のほほに熱いものがつたって、理紗も言った。 「私も大好き、翔。」 笑顔でそう言う。俺はだんだんと意識が遠ざかっていく。理紗はこらえきれなかったしずくを何滴もこぼす。 そして、医者は言う。心に悲しみを隠しながら。 「午後2時30分32秒。ご臨終です。」 理沙は死んだ俺に言う。無駄だと分かっていても。 「人間は、生きただけで素晴らしいんだよ。翔。」