【短編小説】星が降る夜に、僕らはまた●●。
登場人物 ・小松崎羚唯(こまつざきれい) ・望月月海(もちづきるみ) -20XX年X月X日。 ジリリリリーン。目覚まし時計のけたたましい音で目が覚めた。小鳥のさえずりで迎える朝なんて理想でしかないけど、そんな夢のまた夢みたいな理想が実現しないことは僕が一番知っている。「羚唯~、ご飯できたよ~」と、母の声がした。睡眠欲より食欲のほうが勝ったようで、布団から這い出てリビングに向かうと卵焼きの香ばしい香りが鼻をくすぐった。いただきまーすと言いながら、母お手製の味噌汁をすする。美味い。息子である僕が言うのも何だが、母は料理が上手い。この味噌汁だってそのあたりの料亭と比べても遜色ない。そんなことを考えつつ、美味しそうな湯気を放つ卵焼きに箸を伸ばす。ふんわり巻かれているのにも関わらず魅力的な焼き色がついていて、ほのかに甘い。これがいわゆるお袋の味だろうか。僕は母に好みを完全に把握されている。そんな母はテレビに夢中だが。 「羚唯、見て見て。今日流星群見れるんだって。へぇ、100年に1度のチャンスか~。すごいね。あ、あの子と見に行けば良いのに。何だっけ、えっと~、あ、そうだ、思い出した!月海ちゃん。行きなよ、せっかくだし」 月海というのは僕の恋人だ。確かに100年に1度なんだったら、18歳の僕は今回しか見るチャンスがない訳だから、見ておくのも悪くない。母に、連絡してみる、と言ってメッセージアプリを開いた。 羚:『今日流星群見れるらしい。暇?』 すぐに既読がついた。 月:『うん。暇だよ。100年に1度だったっけ?見に行く?』 羚:『月海が良ければ』 と返すと、OKと可愛らしいクマのスタンプが送られてきた。 月:『じゃあ6時に屋上でね』 アプリを閉じた僕は残りの朝ごはんを掻きこみ、急いで自室に戻った。 どの服を着ていこうか。数時間悩みに悩んだ結果、古着のメンズTシャツにカーゴパンツという無難な組み合わせに決まった。 約束の時間の10分前に、屋上についた。来月は付き合い始めて4年の記念日があるから、何かプレゼントをしないとな。そんな事を考えながら、空を眺めていた。しばらく経って、紺地に小花柄の可愛らしいワンピースを着た月海が現れた。 ―相変わらず、綺麗だな。 ふと空を見上げると、空に、無数の流星が光っては消えていく。 「神秘的だね、、!」と月海が呟く。本当に、その通りだと思った。僕は永遠にここにいられる気さえしていた。 と、その時、僕は何かよくわからない違和感を感じた。それは月海も同じだったようで、2人で顔を見合わせた。 次の瞬間、僕は自分の目を疑った。 本当に目がおかしくなったのかと思った。 空から、空を埋め尽くすように大きな黒い塊が堕ちてくる。 ―次々に。 その時、僕は悟った。そして、思った。 「嗚呼、またここで僕らは……」 僕たちは、お互いに強く強く抱き締めながら眠りについた。 The end... ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 葎心です! 皆さんの感想や考察お待ちしてます!