恋愛小説 『星の夜』
周りは真っ暗、星は空に浮かんで光り出す。 隣りにいるのは___誰? 顔が見えない。 「なあ、桜希」 名前を呼ばれて、ビクッとする。 「なあに?」 聞き返すと、さっきまでこちらを見ていた彼は、反対側を向いて、ぼそっとつぶやいた。 「……月が綺麗ですね」 え?それって…。 「プロポーズ、だよね、これ?」 「うん、それプロポーズだね」 学校の朝休み。 今朝の夢がどうしても頭から離れなくて、とりあえず友達のマナに言ってみることにした。 「かんっぜんにプロポーズじゃん!誰からされたの!?」 「いや…誰とかはわかんなくて」 正直、誰かはわかってる気がする、けど。 だって、声でわかる。 ___あれは絶対、陽馬だよ。 小さい頃からずうっと聞いてきたもん、間違えるはずない! でもさ、陽馬があんなこというとは思わないんだよ。 ロマンチストじゃないし、かっこいい告白したい!系でもないし。 さらに言ったら、まず私のことなんか好きじゃないでしょ! 「それ陽馬くんじゃないの?」 「え」 陽馬、という言葉が出てきて、驚きの声を漏らす。 「だってさぁ、陽馬くんってずっと桜希のこと好きじゃん! それに、ね、知ってる? 夢に出てきたひとが自分のこと好きなんだよ!」 「…っていう作り話かなんかでしょう?」 うん、てかどこから出てきた陽馬わたしのことずっと好き理論。 「まあそりゃ、体験談はないけどさ…。それよりっ。1週間後は林間合宿! いっしょの 班になろっ、桜希!」 「うん!いいよー!」 「じゃあ他に友達とかはもう決まってるから!林間合宿楽しみだね!」 「ふふっ、楽しもうねっ」 わたしたちは笑い合って、バイバイ、と手をふった。 1週間後、林間合宿。 班のメンバーは教えてくれず、ただ4人いるということだけ。 まあ、マナのことだから全員女子だろう。 …と、思っていた私だったけど。 なんと、班のメンバーは私、マナ、龍斗、そして___陽馬。 なに、この人選。 いや、わかるよ? マナは龍斗のこと好きだし、陽馬と龍斗は友達同士だし? 私とマナも友達同士、だから…。 …だからってこうなる? どうして夢の話をする前から陽馬のことを気にかけていたのだろうか。 いや、違うか。 龍斗を中心にグループを決めたんだ、絶対。 ま、今更しょうがないし。 全然しゃべったことない子よりマシか…。 そうして登山やカレーライス作りをせっせと終わらせた私たち。 ……うん、普通に楽しかった。 登山は…体力的にキツかったけど、途中のお弁当は美味しかったし。 カレーライスはマナが料理上手なおかげで絶品だった。 …ってあれ、美味しいことしかない。 わたし意外と食いしん坊…。 「桜希、今日の夜広場のベンチ集合な」 「あっ、うん」 肩をぽんっとたたき、陽馬がニッと笑う。 あ、反射的にうんって答えちゃった。 夜…抜け出してってこと? 怒られないよーに静かに抜け出そう。 「うわ、外まっくらだ…」 まわりに電灯…少しあるくらいか。 足元は見えるから大丈夫だよね。 そういえば、マナまだ起きてたなぁ…。 目を開けて、私をじぃっと…。 ふふ、ちょっとおもしろくて笑っちゃったのは失礼なのでヒミツ。 あ、あそこにいるのって。 「陽馬、おまたせ」 「え、ああ、桜希か」 ベンチに座っている陽馬に声をかけ、陽馬の横にすわる。 そういえば、まわりの風景、夢に似ているような。 赤色、白色の自販機が隣り合わせで立っているのを見た。 きれいな星が夜空いっぱいに広がっているのを見た。 電灯のない、真っ暗な道を見た。 今の光景は、まさにその夢の通り。 「なあ、桜希」 ____え? 夢と全く同じ言葉。 夢と全く同じ発音。 夢と全く同じ声。 「なあに?」 夢と同じように、聞き返す。 「……月が綺麗ですね」 照れたようにそっぽを向くのも、一緒だ。 嘘…、そんなこと、ある? 「つっ……月は、ずっと綺麗でしたよ……」 夢のことが頭から離れなくて、告白の返事をずっと考えてた。 正夢かなんてわかんなかった。でも、私は、陽馬が告白してくれて…。 ____嬉しかった、から。 『月はずっと綺麗でしたよ』の意味は…。 「桜希、それ、『ずっと好きでした』って…」 「…うん」 小さく頷く。 「陽馬のこと、ずっと好きだったよ…」 つぶやくようにそう言って、夜空を見上げる。 「…ありがと」 隣の彼も、夜空を見上げる。 空には、月なんてなかった___。 こんばんは!夜々です。 短編小説、投稿するのが憧れで…。 読んでくれてありがとうございました! それではっ、いい夢を!
みんなの答え
※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!
めっちゃいい!!!!
はじめましてー!夜々さんの(夜々先生?)の文章すごく好きですてか同い年…?違ったらごめんなさい…!でも尊敬します!次回作期待… ねこより