短編小説みんなの答え:1

少年の日記(ホラー?)

これは、ある家の少年が書いた日記の一部である。 20XX年4月17日月曜日 今日から日記を書く。この日記ちょうは、お母さんが買ってくれた。お父さんも「毎日書くんだぞ」って言ってくれた。 〈中略〉 20XX年5月9日水曜日 今日はテストで100点をとった。お父さんもお母さんも「すごい」ってほめてくれた。うれしい。 〈中略〉 20XX年6月19日火曜日 今日はテストで80点だったから、自分ではんせいしてもう一回べんきょうした。つぎはがんばる。 〈中略〉 20XX年7月21日土曜日 なんだかなみだがとまらない。またぼく、わるいことにたのかな? 〈中略〉 20XX年8月7日日曜日 今日はなんだかおなかがすかない。へんだね。 〈中略〉 20XX年8月31日金曜日 今日はすずしいところで1日すごした。でもお父さんとお母さんがいなくてさびしかったな。 〈中略〉 20XX年9月4日火曜日 ↓だんだんさむくなってきた ↓れきしはながれていく ↓かれはがきれいだな ↓たのしいこと うれしいこと ↓すてることができないおもいでがたくさん ↓けしきがきらきらしてるね ↓てんとうむしがぼくのしんぞうにとまった 【日記はここで途切れている】 20XX年9月6日木曜日、この日記を書いた少年・田中秀斗君(8)が亡くなった。原因は両親による行き過ぎた教育という名の虐待。両親は教育熱心で、秀斗君がテストで100点以外を取ると暴力を振るっていたらしく、酷い時には家の外に追い出されたり、食事を与えなかったらしい。虐待を受けていたと思われる表現がこの日記でいくつか見られる。最後の日記は何回も消しゴムで消した後があり、両親に「本来の意味」がバレないよう、必死で考えたのだろう。この「本来の意味」に気付くと、とても心が痛むものとなっている。察しの良い読者の皆さんはもう気付いたのではないか。文頭を矢印の向きに読んでみるといい。

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