短編小説みんなの答え:1

初恋は雪解け頃

青春は、人生においての「春」だ。 。。。 冬もそろそろ終盤にかけていて、もうすぐで中学校を卒業するだなんていう実感がまだ湧かない。 ただ、クラスで毎日めくる卒業までのカウントダウンの紙の分厚さは刻々と減っていく。 あと1日だなんて、もうすぐで高校生だなんて。 「なんかさあ。」 「ん?なんなん?」 「好きかも。」 息が詰まるような、胸が熱くなるような。 誰なのか知りたいようで、知りたくないような。 ーそれは、10年ほど前のまだ冬の序盤。 「ゆうくんってさあ、好きな人いる?」 「うんうん。いないよ。」 「ふうん。」 「じゃあ、サクラちゃんは?」 「えっとね、私はね、」 あのとき、なんと答えたか。自分でも思い出せない。 お互い、手袋を片方ずつ無くしたから手袋の無い方で手を繋ぎ合って雪の深く降り積もる道を歩いていた。自分がするべきこともわからず、ただ時間の許す限り歩き続けた。雪がブーツでシャリシャリと音が鳴るのがどこか愉快で、楽しかった。とにかく寒くて、手を繋ぐことにも恥じらいはない。そんな、純粋な頃が私にもあったなぁと思い出す。 まだ、「すき」と「ともだち」がほぼ一緒だったあの頃。好きな人とは普通変わるものなのに、私は今でも気持ちは彼一直線だった。 でも、それもどうでも良いんだ。あと残り僅か1日。高校は別れる。それに、もう会う機会もほぼ無い。 意外とあっさりした終わり方だ。幼稚園、小学校、中学校と同じ学校だった。 元々母親同士も仲が良かったが、何かトラブルがあったらしく今では親を通じて会うことがなくなった。 どうせ、終わる運命なんだ。 もうこのまま、終わればいい。いつか忘れる時が来るだろう。 そう思うことができないのが、辛いところだ。 本当ならまだ時間は少ししか経っていないが、何時間も無言な気がする。 胸が苦しくて、ザワザワする。息がしにくくて、しんどい。助けて。 本当は、君ともっと居たいんだ。忘れないでほしい。ずっと、そばにいて欲しい。 君が初恋で、私の気持ちが変わったことなんてないのだから。 今にも飛び跳ねてどこかへ心臓が飛んでいきそうだ。 もしかしたら、奇跡が起こるかもしれない。 どこかで読んだ少女漫画のようなことが、起きるかもしれない。 怖がってはいけない。結果を恐れては、何も起きない。 そして、私は口を開けた。 「何のことが好きかもなん?趣味でもできたの?」 「ああ、それは。人だよ。人。」 「わかってるし。で、誰なん?」 苦しかった、ただ、言えば少し楽になった。答えを聞くのが怖くて、頭がクラクラした。 今思えば、君のこと、なんで好きになったのか分からない。ずっと一緒にいた。 好きなのだ。これはただの私のワガママだ。これからも君と居たい。 願った。どうか私の名前を言って、と。 「  。」 結局、やはり現実では少女漫画みたいな展開は起きなかった。まあいい。それを知る良い機会になった。そんなはずだ。 もしかしたら、奇跡が。だなんて、やはり無かった。 私は君が好きだった。 「じゃあ、サクラちゃんは?」 「えっとね、私はね、ゆうくん。ゆうくんなんだ。」 「僕?」 「うん。ゆうくんは私?」 「うんうん。違う。」 そう、運命だった。あの頃から、答えは決まっていた。 急になんで、思い出してしまうのだろう。 あの、まだ寒くなり始めた頃の記憶。 その時、チャイムが鳴る。 「帰ろ。日が降るの最近、遅くね?やっぱ春、近いな。」 「うん。」 「おけ。今日は歩き?」 「うん。」 明日卒業だという実感が今湧いた。 目から涙が溢れそうなのを隠したくて君の後ろの方へ行く。目の前に見える大きな背中を見て寂しくなる。 「俺さ、明日式終わったら告るつもりでさぁ。どーすれば良いかな?」 「知らんし。」 選ばれなくて悔しい気持ち。このままでは、終われない。 最後に、伝えたい。 曲がり角で私たちは別れる。だから。 「私さ、ゆうのこと好きだったんだよね。」 「…」 「告白、がんば。」 「…ありがと。お前もな。」 じゃ、と手を振る。 君の笑顔はどこか寂しげで、でもどこか爽やかだった。 私もきっとそうだった。前を向こう。 私の初恋の人へ 好きでした。今まで。 カウントダウンが0となった時、君は誰かと結ばれた。 君のことを全て忘れて、新たな道へ進む。 冬はもう終わった。雪も溶けて、私の初恋はめでたく終わってしまった。 だが、ここからだ。ここからが、私の春なのだ。 fin. 読んでいただきありがとうございました(;///;) 人生って冬春夏秋(冬)の順序でいうことがあるからそれを参考にしましたぁ* ※読みにくいとは思いますが多めに見てくださいい。。。

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