この世界に、虹はかからない。【LGBTQ】
自分がずっと気持ち悪かった。 「華は、彼氏とかいんの?」 あぁ、またこれ。クラスメイトは恋バナが好きだ。 「いない。てかできることはない」 ゲーセンで、カップルがクレーンゲームをしていた。 「私も…恋人ができたら二人でいうこういうとこ来るのかな」 私のその言葉の後に、母が言った。 「何、恋人って。“彼氏”でしょ」 笑いまぎれに言う母を見て、私は思った。 この世界に、虹がかかることはなさそう。 私はレズビアン。女性を好きになる女性。 6色レインボーが目印の“アライ”を探している。 自分がそれを自覚したのは、小学2年生の時。 私自身も知識がなかった。LGBTQのことも。 だから、ずっと自分が気持ち悪いと思っていた。 周りはまだ男女の恋愛漫画ばかりだった。腐も百合もなかった。 ネタとしても存在しなかった。 そんな中で私という人間が育ってしまった。 中1になるまで、私にレズビアンという名前があることも知らなかった。 これが知られたら、いじめられる。親にも子供としてみてもらえない。 そう思って生きてきた。 今、私には好きな女の子がいる。 ―気持ち悪っ。 LGBTQのことを知っていても、そう思う。 こうやって偏見に囚われて言い出せないXジェンダーの人間が増える。 こうやっておかしいって世界に植え付けられて、私たちをいじめのターゲットにする人間が増える。 世界が理解の雨を降らせない限り、世界に虹はかからない。