僕の願いを教えてくれたのは。
「リン、リン」 鈴の音色と共に近づいてくる足音。 僕は恐怖で立ち止まった。 バッ 恐怖に打ち勝ち、勢いよく後ろを振り向くと、 一人のキツネの少女がいた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 僕の名前は大月宇宙(おおつきそら)。 ごく普通の男子高校生。 色々事情があり、神奈川で一人暮らしをしている。 昨日、 とあるキツネに出会った。 それは、学校帰りに神社の前を通ったときだった。 キツネのお面を被った巫女服の僕と同い年くらいに見える少女と出会ったんだ。 その瞬間、時が止まったように思えた。 さっきまで五月蝿かった虫の鳴き声も、鳥の鳴き声も、7mほど先にいる同級生たちの声も、 一瞬にして消えたんだ。 僕は焦った。 でも、そんな必要もいらなかったみたい だ。 キツネの少女が説明してくれた。 「我は、ある、人間の願いを叶えにこの神社にきたんじゃ。」 「探すのに苦労したよ、 大月宇宙」 僕はびっくりした。 なんで、僕の願いなんかをとね。 僕は無意識に聞いていた。 「僕の、願い?」 と、 そうすると、キツネの少女は、 「そうじゃ、お前の願いじゃ。」 「どうしても叶えたいことがあったんじゃろう?」 この言葉を聞いて僕はハッとした。 気づいたんだ。 僕の願いは-----だった ということにね。 そう気づいた瞬間、 キツネの少女は消えていった。 僕は、病院のベッドにいた。 ピッピッピッ 医療機器の音がする。 あぁ、そうか、今までの学校生活や、一人暮らしをしている時間は、 僕が深い眠りについている間の夢だったんだ。