短編小説みんなの答え:0

煌夜(こうや)

 精霊が舞い、雪が煌めく夜、僕は雪無(せつな)を失った。  彼女は4年前ここ、水浪(みずなみ)小学校にきた。その時はクラスの女子に囲まれているのを、ちらりと見る程度だった。親の都合で何度か転校していた僕は、転校は特別じゃないと考えていたからだと思う。  彼女のことに興味が湧いたのは、その年の夏、彼女が体調を崩して休んだ時のことがきっかけだった。彼女の家は2階の無い平屋だった。インターホンを押すと、 「はーい」 と、体調を崩しているはずの雪無が出てきた。彼女は目を丸くしてしまったと言う顔をした。その後は淡々と宿題を渡した。すると、暑い中来てくれたからと、「今練習している舞を見せる」と言ってくれた。  その舞を舞っているうちに、光がだんだん白い衣のようになっていった。その日を境に、雪無とよく話すようになった。雪無によるとあの光は「冬」の精霊だと言う。「冬」を送り出し、「春」をむかえるための舞だと言うことも教えてくれた。だが彼女の知識がどこから来ているのかだけは、絶対に話してくれなかった。そして、彼女の舞は日に日に進歩していた。何も分からない僕でさえ「冬」を肌で感じるほどだった。  その年の12月31日、雪が降る夜、雪無はどこかに消えた。でも雪無の舞の舞台を知っていた僕は、そこへと走っていった。  学校の裏手の桜の木の下。そこで雪無は青く、碧い着物を着ていた。彼女の舞が始まった。少しずつ、白い光が集まり始める。しばらくすると、白い光のドレスが形成され始めた。彼女の動きに合わせてふわりふわりとドレスの裾が動いている。あの時の彼女は、まるで「冬」そのものだった。いつに無く凛々しい顔で彼女は舞っていた。そんな彼女は宙に浮いていた。少しずつ姿が透け始める。僕は彼女がいなくなるのが怖くて、手を伸ばした。そこで僕の意識は途切れた。  あの日からもう3年。僕の最後の記憶は、寂しそうな雪無の笑顔だった。 あとがき-------------------------------------------------------------------------------------------------------- しおあじです。初めて小説を書くのでちょっとおかしい所があるかもしれません(汗) 皆さん是非感想をお願いします。

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