すれ違い
「えぇっ、なにそのキーホルダー」 私は、澄礼(スミレ)の鞄についたキーホルダーを指さしながら笑う。 鞄には、淡いピンクのいかにも女の子って感じのキーホルダーがついていた 「こんな可愛いの、澄礼には似合わなくない?」 少し笑いながら言う。 「いいじゃん、可愛くて」 「いや、キーホルダー自体は可愛いんだけど、澄礼が付けるとなぁ」 「えぇっ、なにそれ」 「だって澄礼、小学生の頃から男って間違えられてたぐらいだし」 「けど今は髪伸ばしてるから間違えられてないし」 「そうだけどさぁ……そもそも髪短い方が似合ってたよ。ハーフアップとか澄礼がしても可愛くない」 最後は、少し笑い混じりで言った。 本心ではないよ、これは冗談だよ、という意味をこめて。 別に、バカにしているわけではない。 ただの友達同士のいじりだ。 澄礼だってきっと、分かっている。 だって、私たちは親友なのだから。 『私達、親友だもんね!』 1年前、私が言った言葉。 親友になって、軽口を言い合えるような関係になれた。 親友になる前に感じた壁もなくなったし、親友になれて良かったと心から思っている。 ──だからこそ、澄礼が中学生の間ずっと休んだ時も、私が理由だなんて考えもしなかった。 『私が休んでるの、あんたのせいだよ』 このLINEの意味が分かったのは、高校生になってからだった。 「えぇっ、なにそのキーホルダー」 私が机に鞄を置くと、桜(サクラ)は私の鞄を指さして笑ってきた。 鞄には、遊園地で買った淡いピンクの小さなキーホルダーが付いている。 「こんな可愛いの、澄礼には似合わなくない?」 バカにしたように笑いながら、桜は言う。 「いいじゃん、可愛くて」 「いや、キーホルダー自体は可愛いんだけど、澄礼が付けるとなぁ」 「えぇっ、なにそれ」 「だって澄礼、小学生の頃から男って間違えられてたぐらいだし」 「けど今は髪伸ばしてるから間違えられてないし」 「そうだけどさぁ……そもそも髪短い方が似合ってたよ。ハーフアップとか澄礼がしても可愛くない」 桜はまたバカにしたように小さく笑った。 ハーフアップみたいな可愛い髪型が似合っていないのなんて、私が1番分かっている。 なのになぜわざわざバカにしてくるのだろう。 軽いいじりのつもり?親友だから? だとしたら酷すぎる。こんなのいじめだ。 桜はきっと、私が夜に枕に顔を押し付けながら泣いているのなんて知らないのだろう。 『私達、親友だもんね!』 1年前、桜がそう言っていた。 親友になることによってこんないじめを受けることになるなら、親友になんてならなければよかった。 ずっと、他の友達よりは少し仲がいいぐらいの関係でいればよかった。 ──もう、限界。 私が学校を休んだ理由が自分だなんて、桜は考えもしないだろう。 それどころか、他の子をいじって笑っているのかもしれない。 『私が休んでるの、あんたのせいだよ』 こんなLINEを送ってみたけど、桜はどう思っているんだろう。 きっと、すぐには意味が理解できないだろう。 もしかしたら、一生分からないかもしれない。 まあ、そんなことどうでもいい。 私はもう、桜とは二度と会わないのだから。
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すごい…
2人の視点が全然違うのが良いと思う うまくかけてる!
ガクガク
えぇ、桜ちゃん4んじゃったの? でも、この作品見て"かっこいい女の子"とか "可愛い女の子"とか関係ないなって思いました。 じぇんだーれす!