龍の噂
この中学校には人を喰う龍が出るという噂がある。 ここに通うことになった人達は、龍を恐れて引っ越す人も多い。 しかし2年の凉奈だけはその龍を恐れなかった。 「龍がいるの?会ってみたい」 そんな凉奈は、隣のクラスの流騎が大好きだった。 でも、流騎は明るくて、冷ための凉奈とは真逆の性格で、話す勇気が出なかった。 ある日の放課後、凉奈が家に帰っている途中、流騎が話しかけてきた。 「君は何で龍が怖くないんだい?」 凉奈は、流騎が珍しく話しかけてきたから、驚いた顔をして、こう言った。 「龍ってかっこいいじゃん。」 流騎は無表情で「かっこいい・・・?」と言った。 凉奈は様子が変わった流騎に、凉奈は不安になって「流騎・・・?」と思わず口から零れ落ちてしまった。 すると流騎は笑いながら言った。 「なぁ、知ってるかぁ?俺の名前の漢字、流れるって字じゃなくて、ドラゴンの竜って書くんだよ」 凉奈は固まってしまった。 「竜・・・騎・・・?」 怖い。さっきまでかっこいいって言ってなかったっけ。自分でも分からなくなった。 すると急に、竜騎の姿が変わった。 頭から角が生えている。羽も、尻尾も・・・ 「うまそうだな、凉奈」 だめだ。喰べられる。 竜騎が口を開く。恐ろしい牙が生えている。 「竜・・・騎・・・」 震えた声が出た。 竜騎は「どうした?」と言って、口を閉じた。 「私は・・・君のことが・・・」 今しか言えない。これを逃したら二度と言えない。 「大好きだよ、竜騎」 竜騎は突然泣き出した。 「凉奈・・・俺も・・・」 凉奈はまた驚いた顔をして「え・・・?」と言った。 すると突然、凉奈の体がよろめいた。 「竜騎・・・!」 「凉奈・・・!」 二人は手を伸ばした。だが届かない。 竜騎が遠ざかっていくような気がした。 「竜騎!!!!!」 目が覚めると、凉奈はいつもの保健室のベッドで手を伸ばしていた。 友達が凉奈の目覚めに気づいて、抱きついてきた。 「凉奈!!やっと起きた!!」 「え?」 どうなっているんだ。 「竜騎は?」 思わず口から零れた。 「竜騎?そんな人いないよ」 夢だったのかな。 抱きついてきた友達から、うまそうなにおいがした。