短編小説みんなの答え:2

鏡の前に立つと、愛おしい君が現れる。長い金髪に宝石のように輝く青い瞳__。私と目が合うと私にうっすらと微笑みかけ、透き通った声で呼びかける。 『お待ちしておりました、ルージュ様。今日も会いに来てくれたんですね。』 「ああ、メアリー。ここで君に会うのが私の唯一の楽しみなのだからな。」 彼女はメアリー。誰も出入りしない部屋の鏡に映る少女だ。 私は幻覚や錯乱にも悩まされており、何年も薬を服用し続けている。生活で負った傷を彼女で癒す、そんな毎日を送っている。 数日経ったある日、いつも通り鏡の前に立つと、本来ならとっくにメアリーは現れる筈なのに私しか映っていない。髪は乱れ、名前に合わず顔色の悪い私が。 彼女が目の前にいると思い込み話しかけてみた。 「メアリー…?」 ___鏡に映った私の表情が変わった。 『あぁ…ルージュ様……!!今日も逢いに来て来てくれた………!!私の正体を知っても私を彼女だと信じて………!!』 「…!?な…何なんだ!!」 『何なんだって…見てわかりませんか?ルージュ様を愛する私ですよ?忘れてしまったのですか………?毎日顔を合わせているのに…何で…何で……どうしてですか!!!!』 きっと薬が効いてきたのだろう。本当は最初からメアリーなんて居なかった。私を愛し、狂っている様子を見せる私もただの幻覚でしかないんだ。 冷静を保つことが困難になり、鏡を叩き割ってしまった。 幻であっても私は彼女を愛していた。 存在しないのであれば私だって消えてやる。 そう思い、赤く染まった鏡の破片を飲み込んだ。

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