告白のトラウマが
ドキ…ドキ… 短距離走で全力ダッシュした後みたいに、 鼓動がいつもより早く飛び跳ねている。 ここは学校の屋上。 私‥‥梨乃(りの)の目の前には、彩斗(あやと)が立っている。 スポーツマンで、顔立ちもいい、幼馴染の彩斗に、 私は片思いをしたんだ。 片思い歴5年。 今から私は、5年間の思いを彩斗に伝えるところです――! 「彩斗っ!私、彩斗が‥‥好き!!」 言い終わってから、顔が一気に熱くなった。 あわわ‥‥絶対、顔真っ赤だよね‥‥恥ずかしい‥‥っ! 両手で顔を隠しながら、おそるおそる顔を上げると、 彩斗は複雑な表情をしていた。 そして―― 「ごめん、梨乃」 とうとう彩斗は、そう口にした。 あーあ‥‥失恋、しちゃった。 思わず私がその場にうずくまると、彩斗は気まずそうに「‥‥じゃあな」と言い残して、 走り去っていった。 ☆彡 この出来事から4年後――。 私は今、高2だ。 今私には、好きな人がいる。 名前は、律(りつ)くん。 勉強家のイケメンなんだ。 友達には「告白しなよ!」と応援されてるけど、 私は告白する勇気がない。 ‥‥だって、4年前のトラウマがあるから。 5年も好きでいた分、フラれた時はショックは大きかった。 そんな出来事がトラウマになって、もう告白なんてできなくなった。 また失恋するのはこわい。 だから、告白はもうしない。 告白のトラウマが、 私の新たな恋心を無くしてしまった。