相合傘
相合傘。 好きな人がいる人,彼氏・彼女がいる人,いやほとんどの人が憧れを持つだろう。 私もその1人だった。 それは梅雨の日のお話_。 ザワザワ 「ねね!相合傘の濡れてる人って隣にいる人に惚れてるらしいよ!」 休み時間の教室.ざわめきの中友達が教えてくれた. 「えぇ!なんそれぇ!憧れしかないぃ」 周りにいた子達が声を上げる. 私は表情を隠して,“あいつ”の方を見つめる. 「瑠莉は興味ないの?」 友達に聞かれてしまった.私は表情を隠すのが苦手で,好きな人とかもすぐにバレちゃう. だから“あいつ”のこともバレてしまった. 「だって…あいつそうゆうの興味なさそうじゃん?」 「そっかぁ.今日とかチャンスなんじゃん?!」 勝手に話が進んでいく. __帰り 「おぃ!瑠莉達じゃんけんするぞ!」 ハァ 最近うちのクラスのごく一部の人で,帰りの罰ゲ付きじゃんけんが流行っている. 正直だるい 「ふぅぅ……逃げろっ!」 私が合図をすると女子達は一斉に逃げる. 外は雨が降っている.どうしよう! ダダダダ_「まてって!」 男子達が追ってくる.もうしょうがない,傘なんて無視で走る抜ける! 「瑠莉ぃぃぃぃぃ?!!」 女子達が驚きの声を上げる. 男子達は女子1人につき1人で追いかけることにしたらしく,私を追っているのは“あいつ”だった. 「瑠莉確保ぉ~」 「離してよっ!!」 “あいつ”の足には勝てず捕まってしまった. 「ほら」 バサッ 傘が開く音だった. 「え?」 “あいつ”も私も無言だった. どんどん雨が強くなっていった. 隣を見るとあいつの左肩が濡れていた. 「あんさ,休み時間言ってた奴…相合傘の」 「あぁ,あれね。あれがどうし…!?」 「濡れてる方が惚れている.俺の左肩濡れてるんだよね」 「えっと……」 「すき」 強い雨にも負けない力強い声,思いが雨の音にかき消されることなく耳に届いた。 雨の日は特別だなぁ