短編小説みんなの答え:2

キャンプファイヤーの夜に

おれの名前は佐藤 幸太(こうた)。中学一年生になったばかり。いつも教室の隅っこで友達とふざけあっているおれだが、最近好きな人ができた。同じクラスの、村田 陽葵(ひまり)ちゃん。可愛くて優しくて明るくて、男で陽葵ちゃんを嫌いな奴なんて聞いたことがない。 おれは来月、6月の宿泊学習でその子に告白すると決めた。そこでおれは隣のクラスの親友のモテ男・田中 颯人(はやと)にお願いをした。颯人はイケメンで優しく、運動神経もいい。 「お願いだ!アプローチ、手伝ってくれ!おれをモテ男にしてください!!」 思いきって颯人の前で土下座した。颯人は苦笑いで驚きながら「わかったよ、で、相手は?」とたずねてきた。 おれみたいなやつが陽葵ちゃんのことを好きだと言うのはなんだか恥ずかしくて、つい「教えねぇよ、とにかくなんとかモテる方法を教えろよ。」と言ってしまった。 それからおれの「モテ男アプローチ☆大作戦!」が始まった。おれはイケボを意識して話したり、クールな男を装ったり、そこらの男子とふざけあうのをしばらく中断した。本当にこれはおれにあったモテテクなのか何度も疑いつつも毎日続けた。 そして、席替えではまさに奇跡、陽葵ちゃんの隣の席を獲得した。毎日あいさつをかわす仲になり、お互いの友達のことやプライベートなことを話すまでの仲にまで発展した。 そのことやらを颯人に伝えると「マジか、お前意外とやるじゃん!その子とつき合えるんじゃね?」とモテ男からの脈アリ診断結果が告げられた。 おれの恋の炎は燃え上がり、ついに宿泊学習の日がやってきた。またまた、奇跡的に宿泊学習の班が陽葵ちゃんと同じになった。これはチャンスだ!! よし、合宿二日目のキャンプファイヤーで告白するぞ!!おれの恋の炎は再び激しく燃えだした。 合宿二日目。キャンプファイヤーの夜。陽葵ちゃんがおれに話しかけにきてくれた。今日の陽葵ちゃんはいつもより顔がにこにこしていて可愛くって。告白しようと思ったそのときだった。 「あのね…幸太くん、ありがとう。」 急に陽葵ちゃんに感謝された。 …んえ?なんの感謝だろう。全くわからない。 「幸太くんがいろいろ教えてくれたおかげで昨日、うまくいったの。ほんとにありがとう…!」 どういうことだ?おれが何を教えたっていうんだ? すると後ろから颯人が走ってきた。 「あ、幸太!昨日言えなかったんだけど…。」 なんだなんだ颯人まで! 「俺な、陽葵ちゃんとつき合うことになって…。」 えっ…!? 陽葵ちゃんの言葉の謎が解けた。そういえばおれ、よく陽葵ちゃんに颯人の話をしてたな。そういえば陽葵ちゃん、颯人の話してるときの顔が一番楽しそうだったかも。 なるほどなるほど、そういうことだったのか……。 まあ、しかたないよな。颯人イケメンだし、おれ颯人に陽葵ちゃんが好きだって言ってなかったし…。 すると、颯人は「幸太、お前も告白頑張れよ!」と、陽葵ちゃんは「えっ、幸太くん告白するの?頑張って!」と。何も知らない二人はめちゃくちゃ良い顔でおれのことを応援してくれた。 「……おうっ。」 二人の明るい応援に返す言葉が見つからなくて、適当に笑っておれは一人キャンプファイヤーの周りで踊りちらかした。

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