1日だけの推しカレ
「よ、よ、よよよ、よろしくおねがいしますっ…!」 私の彼氏は私の推しだ。今日、一日だけの。 私はあるアイドルを推している。 「悠くん今日もかっこいいー!!」 大人気5人組男性アイドルグループRIのリーダー、大宮悠くん。私の推し。 かっこよくて、かわいくて、歌がうまくて、ダンスも上手。 喋りもうまいし、バラエティでも天然を発揮してギャップ萌えだし、演技力もある。 ある日、そんな完璧な推しと、とあるテレビ番組でデートをできるという情報を耳にした。 私は早速応募した。当たらないとはわかっているけど、少しの可能性を試したかった。 当たらないと思っていたけど、当たった。 「ご当選おめでとうございます。4/21にΟΟまでお越しください。……ってえ!?まじっ!?!?」 推しとデート。推しとデートっ。推しとデートっ!!!!! これ以上の幸せはないかも。 そして、4/21。デートの日がやってきた。 時間通り着き、メイクさんに髪型を整えてもらう。 そして、背後から推しの声がした。 「こんにちは。今日のデート、よろしくね。」 ひっ!!!生の声もイケボじゃんっ!!!やばい、尊い。破壊力っ……。 「よ、よ、よよよ、よろしくおねがいしますっ…!」 思いっきり声が裏返ったし、噛みまくったし、変なやつだと思われたっ………!! 「ああははっ!かわいい。行こっ、今日ね、水族館に行きたいんだー!」 手をいきなり掴まれて、頬が赤らむ。 デビュー時のハイタッチ会が当たらなかったのに、今手をつないでるっ………!! こっちを向いてクシャッと笑う笑顔も、たまに鼻歌をする高い鼻も、深い焦げ茶色の瞳も、全てが愛おしい。 沸騰しそうな頭で、推しのことをぼうっと見つめることしかできなかった。 デートも終わりの時間。私は押しがプレゼントしてくれたぬいぐるみを見つめる。 ……やだな。まだこの夢の時間でいてほしい。 そう思いながら推しを見上げると、バチッと目があった。 「終わってほしくないね。いやだな、別れるの。」 「私も、嫌です。離れたくないです。」 ぎゅっと推しの手を握る。 握り返してくれる推しは大好きな笑顔で見つめ返してくれた。 5時の鐘がなる。そろそろ終わりの時間。 「大好きです。これからもこんなふうにファンのこと、大事にしてください。」 涙をこらえていたのは秘密にしよう。 こんにちは、うみです。感想くれるとありがたいですっ!