ふとんの日々
私は華という女の子のおふとんです。あたたかい、やわらかい、おふとんです。夜の間、華さんをやさしく包んであげるのが私のつとめであります。華さんが快適にねることができるように、いろいろと気をつかいますが、華さんのあどけないねがおを見ると、やる気が出るのです。たまに、華さんは私のことをけとばしてねることがあります。 昨夜がそうでした。 ・・・ 昨夜、私は華さんにけられて床に落ちてしまいました。初め、イラッとしましたが、寒そうな華さんの顔を見ているうちにかせをひいてしまわないか心配になってきました。と中、華さんはふるえなから起きて、床にはじきだされた私を拾ってかけると、すぐさまねてしましました。すやすやとね息をたてはじめたのを見て、私は、ほっとむねをなでおろしました。 ・・・ 朝、華さんは、元気よく起きると、私を抱いて、ベランダに行きました。そして、物干しににかけました。 朝のおひさまががきらきら輝いています。 青いお空が澄み渡っていて、 小鳥がにぎやかに鳴き交わしています。 風がそっと吹いて私に触れました。 ああ、なんてよいきもち。 私は、 爽やかであたたかな、春の風にゆられて、 うたたねをはじめました。 桜の花びらがひとつ、 私に舞いおちました。 ・・・ おしまい。