贖罪
おや、見ない顔ですね。ほう、交通事故で、ねえ... まあいいでしょう。ここは贖罪の世界、ハロウィンランド。 楠麗華さん、私ノエルが、あなたがその罪に気づき償うまで、この世界をご案内いたしましょう。 今日は10月31日、この世界と生前私がいた、現世と呼ばれる場所が繋がる年に一度の日、らしい。 目が覚めて私がいたのは紛れもない、生前私が通っていた学校だ。 『なんで今更私が中学校なんかに...』 ぶつぶつと不満を口にしながら廊下を歩いていると、すれ違った生徒が突然声をあげた。 「れ、麗華!?」 「はあ?あいつがここにいるわけ...え」 そこにいたのは、かつての友人たち。 『見えてるんだ?久しぶり』 「な、何よ!私たちに何か恨みでもあるの!?」 折角の感動の再会だっていうのに、怯えた顔でこちらを見てくる。いや、当たり前か。今の私、幽霊だしね! 『恨みなんてな...』 「呪ったりするつもり?ずっとあんたのご機嫌とってやってたのに!」 『は?』 「あんたのせいで南ちゃんは死んだんだよ!」 言葉が出なかった。 罵声を浴びせられ続け、気付けば昼休みが終わったのか目の前には誰もいなくなっていた。 私のせいで、南が死んだ? 南とのやりとりを思い出す。少し当たりが強かったかもしれないけど、ずっと笑ってたじゃない。 嫌なら嫌だって言わない方が悪い...え? もしかして私は、知らないうちに南を傷つけて、いじめてしまっていたのだろうか。 廊下から教室を覗き込むと、花が置かれている席がふたつあった。私の席と、南の席。 それからの記憶はない。 どうやら知らぬ間にハロウィンは終わり、私はハロウィンランドに連れ戻されたらしい。 『あんたのせいで南ちゃんは!』 あの声が、怒りに満ちた顔が頭から離れなかった。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい...」 罪を償わなければここは出られない。ノエルにそう告げられたのに、どうすれば償えるかわからなかった。 ごめんなさい、と唱えながら記憶を巡って思ったことは、私は間違いなく彼女を殺していた。 消えろ、なんていわれるべきは私の方だ。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさ」 「もう十分でしょうか」 頭の上から声が降ってきて顔を上げた。 「ノエル」 「罪を自覚し、散々自分を責めていますから、目には目を歯には歯を、といったところでしょうか。贖罪は済みました。楠麗華に救いを」 光に包まれた。 おや、新しい住人ですか?初めまして。 ここは贖罪の世界、ハロウィンランド。 私ノエルが、あなたがその罪に気づき償うまで、この世界をご案内いたしましょう。 ハロウィンなんて季節外れもいいところですが、設定を思いついたので書いちゃいました。 みなさん一度、あなたの心に問いかけてみてください。忘れてしまった罪はありませんか? いいえ、いじめだけではありません。 今のうちにその罪を償っておいた方が身のためかもしれません。そうしなければ、あなたは死んだあとーー