短編小説みんなの答え:2

辛い時には、声を出せ

俺には幼馴染の女子がいる。 その女子とは至って普通の関係で、ただの友達。でも、最近は何が心が引っ掛かるものがある。それには、心当たりがある。 「なあ、柚葉」 俺は幼馴染の女子に声をかけた。 「何?宿題でも忘れた?」 柚葉は意地悪口調で応えた。 「まさか、そんなわけないよ」 「えー。翔は小学生の頃よく忘れ物して泣きついてきたのに」 俺は柚葉に呆れた。 「なあ、柚葉。最近む」 「あっ。ごめん。先生に頼まれていることがあったの。話は後でしよう」 柚葉は慌てて席からたった。 やっぱり最近、柚葉はおかしい。俺がそんなことを聞くと、よそよそしい態度を取る。 それから、柚葉に話しかけるタイミングがなく、下校する時間になった。 「柚葉。一緒に帰ろう」 俺は言った。 「えっ。なんで。翔、友達は?」 柚葉は驚いている。 「みんなゲーセンに寄って帰るらしいし」 「だったら、行けばいいのに。翔はいろんな友達がいるし」 柚葉はぶつぶつ言っている。 「俺は今日、柚葉と帰りたい」 俺がそう言うと、柚葉は戸惑った。 「あとお前、今日、帰る人いないだろ」 俺が痛いところをつくと柚葉は頷いた。 「わかった。一緒に帰ろう」 「柚葉」 誰もいない道で俺は言った。 「何?翔」 「柚葉、最近無理してない?」 「何?急に?」 柚葉は学校の時と違って落ち着いている。 「俺は男だから、女子のことはわからない。だけど、柚葉だけ女子から仲間外れにされているような気がして、、」 「えっ。何言ってんの?そんなわけないよ。普通だよ」 柚は笑顔で否定した。 「本当に?」 「うん。…本当」 最後の方は声が掠れていた。俺は黙った。 「ごめん。私の言ってることは嘘。翔が正しいよ」 柚葉は白状した。 「なあ、なんで言わなかったんだ?」 俺は今、ムカついている。柚葉が頼ってくれなかったことに。 「だって。男女で違うし、迷惑かけたくなかったの」 柚葉の目には大粒の涙が溜まっている。 「男女とか関係ない。迷惑じゃない。だから、辛いんだったら、俺に声を出して。我慢しないで」 「うん。わかった、ありがとう」 柚葉は泣いた。静かだけど、泣き声はする。今まで貯めていた涙を次々と外に出した。 俺は、柚葉をそっと抱きしめた。 数分経った。泣き声が止んだ。 「落ち着いたか?」 「うん。ありがとう」 柚葉の目の周りが赤い。結構泣いた証拠だ。 「じゃあ、帰るか」 俺がそう言うと、 「うん」 柚葉は、力強い声で応えた。

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