悔いも憂いもある初恋
「私、結婚したんだよねー!」 「やっぱりか」 初恋相手の結婚報告、これにメンタルをやられない男は存在しないだろう。彼氏がいた事は事前に把握済みだ。なんてことない。こんな事を自分に言い聞かせながら、口を開く 「おめでと、相手は○○さんだろ?」 「うん!」 満面の笑みでそう答える彼女には心を乱される。 「凄いよなぁ、3年近く片思いしてたんだろ?結婚決まった時、どんな気持ちだった?」 「すっごく嬉しかった!」 「そっか」 彼女の顔に無理をしている様子は無い。本当に嬉しくて堪らないのだろう。でも、俺は違う。俺の心は恋破れた傷でズタズタになっている。なんせ、8年の片思いだからな。 その相手が自分であれば、どれだけ良かった事だろうか。 「それでさ、結婚式、来る?」 絶対に行きたくない。と言いたいところだが、彼女の悲しむ姿は見たくない。腹をくくろう。これも勇気を振り絞れなかった自分への罪だと思って。 「もちろん」 ・・・・・・ それからも彼女とは連絡を取り続け、結婚式当日を迎えた。招待状に書かれた式場に向かうとそこには彼女の両親がいて、見覚えのある顔も多数あった。 「新郎新婦、入場です」 純白のドレスに包まれた彼女はとても、それはとても美しくて、俺の目を離させない。同時に俺には二度と手に入らないんだと思うと、ただただ虚しくなってくる。 「ああ、綺麗だ…」