短編小説みんなの答え:2

ありがとう

大好きだった。大大大大好きだった。ねえ、戻ってきてよ、お願い! そう願っても、あの人が返事をしてくれることは二度となかった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 幼馴染に恋をしてしまった。もともとだれか1人だけを好きになることができなかったわたしが、初めて一途に恋をした人だった。 幼馴染は、絶対に好きにならないと思っていたのに、人間の心って正直なんだな。でもね、文化祭でも、バンドでドラムをたたいていたあの人のことをずっと見つめていたし、夏祭りに誘われて、とってもドキドキした。合唱コンクールで、すっごくきれいな低音を出したのには惚れてしまったし、定期テストで20点を取った彼を見たときは、とても愛らしく見えてしまった。すきだったんだ。恋愛として見えていたんだ。思い立ったらすぐ行動が私のモットーなのに、こういう時に限って、なかなか話しかける勇気が出ない。大好きと伝えたいのに、 ずっと私のそばにいてと伝えたいのに…。 覚悟ができないまま、1年がたってしまった。今日は、卒業の日。今日告白するって決めていた。もうプレゼントも買ってある。 おそろいのペアルックを着て、彼の好きな映画を見るんだ。そう決めて、学校に到着した。最後のホームルーム。先生が言った。 「昨日の20時ころ、○○が、信号無視をした車にはねられて亡くなった」「○○のためにもいい卒業式にしよう。」 私は声が出なかった。先生も少し涙目になっていた。きっと私たちを心配させないようにするために、明るく振舞っていたんだ。 少し暗い雰囲気のまま、卒業式がスタートした。私は天国のあの子に届くように、返事をした。 1週間後、あの子のお母さんが私の家を訪ねてきた。 そして、封筒を渡してきた。 封筒を開けると、手紙が入っていた。 小さな便箋の真ん中に大きな文字で、「大好き!付き合ってください」 あの子の少し乱暴な文字で書かれた文字に温かさを感じた。 私は、上を向いて、大きな声で叫んでいた。 「私も大好きだよ。ありがとう」

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