短編小説みんなの答え:5

好きになっちゃ、ダメな人。

私の名前は、蒼井桜。 中学3年生です。 私は中2の夏に恋をしました。 恋をしてはいけない人に。 チャイムがなり、みんなは憂鬱そうな顔をする。 ため息をつく人だっている。 でも、私1人はこの始まりのチャイムにドキドキしていました。 「授業始めまーす!号令よろしく」 この声に私の胸の鼓動は止まらなくなります。 私が恋をした人は理科の先生である大野樹先生でした。 先生に出会ったのは、1年生の4月。 初めは好きでもなく、むしろ嫌いでした。 ですが2年生のとき、いろんなことがあって1人で悩んでいたら先生が助けてくれたのです。 先生が一番に助けてくれました。 そこからだったのか、私の恋は始まりました。 先生に恋をしてから苦手だった理科も全力で頑張ることができました。 ですが、私はもうすぐ卒業です。 先生との恋は叶わないと分かっていました。 でも心のどこかで「諦めたくない」という気持ちもあったように思います。 最後の学年集会の日。 大野先生は私たちに向かって報告をしました。 「僕、大野樹は同い年の女性と婚約することになりました!」 拍手が起こる中、私の心はほろりほろりと崩れていきました。 今日は卒業式です。 「大野先生、3年間お世話になりました」 「蒼井、こちらこそありがとうな!」 「あのっ!!」 「ん?どうした」 しばらく黙って「やっぱりなんでもないです!」 と返事をしました。 すると先生は私に背を向け、手を振ってくれました。 恋をしてはいけない人だったのかもしれません。 ですが、恋をしたことはこれからも後悔しないと思います。 そのとき見上げた空は、先生のネクタイのように青く澄み渡っていました。

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