ひまわりが灯る
愛してるからと言って、必ず同じ道をたどれるとは限らない。 「行かないで」 私と、彼だけの静かな病室。 もうすぐ旅立つ大きな背中に、思わず小さくつぶやいた。 きっと聞こえてはいない。 こんなことを言っても意味がないのはわかっている。 でも、言わずにはいられなかった。 夕日が、これでもかというほどオレンジ色に輝いている。 なんだか余計に切なくった。 これが青空だったら、少しは気持ちも明るくなったかもしれない。 貴方から前にもらった3本のひまわりは、もうすでに枯れてしまった。 大切にしていたのだけど、やっぱりいつかは枯れてしまう。 でも、それを捨てることなんてできなかった。 ーよし。もう一度会えたら、またひまわりをねだろう。 私は彼の眠っている横に、私がさっき新しく買ったひまわりを4本置いた。 もちろん、貴方が気に入っていた花屋で買った。 私は、そっと手を握った。 まだ、手は温かい。 でも、もう望みはないと、医師に告げられた。 旅立つのだ。きっともうすぐ。 ー私も、いつかそっちに行くからさ。 そのときは、またひまわりをプレゼントしてよ。 楽しみに待ってるから。 FIN