言葉にヒロイン
私は常に綺麗でありたい。 私は常にあなたの人生でヒロインになりたい。 私は常に何事も一番がいい。 ずっとそれだけを思って生きてきた。 けれど、どうしても、ヒロインにだけはなれない。 綺麗で、頭が良くて。そうやってみんなからちやほやされてきたのに。 どうしても、私は「悪役」にまわるんだ。 どこにでも私の前には一つ、多く勝る人が現れる。 きっと、あの人のところにもやってくるんだろうな。 言いたくなくても言ってしまう「悪役」の言葉。 それのせいで私はさらに不利になる。 「明日香さん、好きです。付き合ってください。」 告白されるのは嬉しい。けれど、私が思うのはあの人だけ。 「ごめんなさい。好きになってくれてありがとう。」 これからの茶番はお決まり。 ヒロインが現れて、失恋した心を慰め、やがて愛される。 そこに、私は「悪役」として描かれる。 世の中のたくさんの女性はヒロインになるのに、私は…。 けれど、今回は少し違った。 「紀伊くーん!私、振られちゃった…。」 なんでも、私に告白してきた人に慰めがてら告白したらしい。が、振られた、と。 それで、紀伊にすがっている。 馬鹿みたい。 私が想うのは紀伊だけ。 でも、紀伊はヒロインに対して何て言うのかしら。 「あー…。」 紀伊は続ける。 「好きだったってことだよね。」 「うん!」 「彼氏が欲しいの?」 「え、いや…。」 「すがりついて来るの、いつもやめてほしいんだよね。」 珍しい紀伊の辛口を聞いてヒロインのみならず自分でも驚く。 「え、でも。紀伊く…」 「聞こえなかった?」 「ご、ごめんなさい…!」 ヒロインはびくっとしてその場を去った。 その時の紀伊は、すごく怖かった。 「明日香、聞いてたよね。」 紀伊はこっちに向かって来る。 「ごめんなさい…。」 「いや、いいんだけど。最初から気づいてたし。それより。」 紀伊は続けた。 「ちゃんと、伝わった?」 ーーーーーーーーーーーーーー 意味が分かりましたか? 紀伊くんの言葉にヒント!