シャボン玉とんだ
シャボン玉とんだ…。昔よく誰かが歌ってくれた歌。 でも、誰だか分からない。優しいような、切ないような、女の子の声。 私はその誰かを探すことにした。お母さんでもない、近所のお姉さんでもない。もちろん妹でもない…。 誰なんだろう。そう思って過ぎた月日は1ヶ月と6日。 今日は6月23日。この日になるといつも鮮明に思い出す。この日の夢は毎回誰かが歌ってくれたシャボン玉が流れる…。 私は10歳。10年間同じ声…。 この日に母が言った。「…お姉ちゃんのこと…覚えてる…?」 「お姉ちゃん…?あ!近所のゆかお姉ちゃん?」 「違うの…。今日はあなたのお姉ちゃんの命日なの…」 そう言って母は立ち去った。鼓動が早まる。 私にお姉ちゃんがいた…? どうやら、亡くなったらしい…。 今日も鮮明に思い出すあの歌声は、お姉ちゃんが昔に歌ってくれたもの…。 やっと分かった…。やっと思い出した…。 次の年からシャボン玉は聞こえなくなった。お姉ちゃんは私に思い出してもらいたかったんだと思う。 今日も思い出す、お姉ちゃんの歌声…。