短編小説みんなの答え:1

届かなかった

僕は彼女を亡くした。彼女は病気で亡くなってしまったんだ。あの日から僕は心の病気にかかってしまった。 やけ酒して、やけ食いして、泣いて、寝て、これの繰り返し。生活リズムも崩れてきた。 ある日こんなサイトを見つけたんだ、 「VRで会いたい人と会えます」 僕の悩みを解決してくれそうなサイト。すぐにそのサイトに書いてあった電話番号を入力して電話した。 何日後かにVRゴーグル、コントローラーが届くらしい。僕はその日まで待っていた。 「数日後」 届いた。やっと届いた。でもこのVRゲームは一回しかプレイできないらしい。 僕は子供のような声をあげながらVRゴーグルをつけた。 「快斗くん!」 彼女の声が聞こえた。彼女は目の前にいる。僕は彼女の前で泣いてしまった。 「泣かないでよ!どうして泣いてるの?」 「お前がいなくなったからに決まってるだろ…」 泣きながら僕は喋った。やっと会えたと思いながら。 「ごめんね…死ぬまでずっと一緒とか言ってたのに先行っちゃってさ。」 「お前は悪くないよ…構ってあげられなかった僕が悪いから…」 そろそろ別れの時間が近づいてきた。 「もう私先に行かなくちゃ。ごめんね。私の分まで頑張って生きてよ。」 『待って!!!』 僕は必死に手を伸ばして彼女の手を掴もうとした。届いても彼女の手は掴めなかった。 彼女は消えていった。僕は泣いた。泣いて泣いて泣いて、視界が歪むほど泣いた。 一回限りのチャンスだったのに、僕が伝えたい事を彼女に伝えられなかった。 「大好きって言いたかったのに。」

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