先生の笑顔があれば,前向きになれるんだ。
「…では,1年間お世話になる,先生方を紹介します」 私は,心の中で祈っていた。 (お願い。下村先生が担任でいてほしい。担任じゃなくても,6年生の先生であって…) 下村先生…私が5年生の時,教育実習生として私のクラスに来ていた先生。面白くて,男子と仲が良くて楽しい先生だ。 こんな先生が,私たちの小学校生活最後の先生なら,悔い無しで卒業できるんだ…。 「次は,3年生の先生を紹介します。3年1組,石脇先生…ですが,石脇先生は妊娠している為,お手伝いとして下村先生も担任となります…」 …え? 担任となるって,3年1組確定って事? そんな…。 下村先生が教育実習生として,私のクラスに来ていた時の事を思い出した。 お楽しみ会の時は,一緒に遊んだ。 休み時間も,クラス皆で鬼ごっこをした。 この楽しみ,もうないの…? 3年生の子が羨ましい。下村先生は,2年生のところにも行っていたから,多分3年生の子たちとも仲が良いんだと思う。 3年生の子たちは,まだ下村先生と楽しく居られるんでしょ。 私は,今年で卒業で,下村先生と居られるのが最後の年なんだよ。 せめて,6年生のどこかのクラスの先生になってよ…! そう思っても,叶わない。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1年生の子たちが,入学式が始まるまでの時間,6年生が面倒を見る事になっている。 私は,下村先生と離れてしまった事についてまだ考えていた。 だから,心の中は悲しみでいっぱいだった。 5年生の最後は,まともに話せていなかった。 だから,多分話せない…もう。 無心で,お世話を続けていた。 「…6年生,順調?」 この声…っ下村先生…!? 「うん,順調です~」「下村先生,どこの担任だっけ?」 皆がと,下村先生の周りに集まっていっていた。 何で,ここにいるんだろう…?嬉しいけど… 「おっお世話楽しいです…」 久しぶりだから,照れながら頑張って話しかけてみた。 「…そう」 下村先生は,私にニコッと笑って返してくれた。 あ…好きだな。その笑顔。 下村先生,私ね。下村先生と卒業まで楽しく授業したいって思ってた。だけど,それは叶わなかった。 …でもね。今,先生の笑顔でちょっと前向きになれたよ。まだ,悲しいけど卒業まで頑張るね! 先生,私は先生が大好き!