死神とhappy end
毎日人を殺す仕事をしていた。死神だから仕方がなかった。 正確には、人を殺し、冥界に送る仕事だ。 何の為にやっているのかも分からないし、やりたくなかった。 しかし、サボればこっちが殺される。もうどうする事もできなかった。 * 今日は仕事でトウキョウに来た。 仕事まで時間があるので、観光をした。 初めて楽しいと思った。 * 目的地に着くと、青年がいた。 こいつを殺せばいいみたいだ。 だが、目の前は崖。 何をしてるんだ? 何だか様子が変だ。 「おーい」 そう言うと、青年は驚いて振り返った。 そのまま、何をするつもりだ、と訊いてみた。 「俺は今から死ぬ!放っておいてくれ!」 帰ってきたのは冷たい言葉だった。 「まあ、ちょっと話そう。実は俺、死神なんだ」 「は?しにがみ?確かにガイコツだけど…マジか…」 かなり驚いている様子だ。 「本当はお前を殺しに来た」 「なんで俺を?」 「さあ。上の命令だよ」 それから、少し和解して、色々な話をした。 この青年は、一人孤独で、親にも嫌われ、居場所がなかったらしい。 そうか、だから…… 生きたくても、生きれない人もいるんだな。 俺は、どれだけ幸せだったんだろう。 「じゃあな」 「短かったけど、楽しかった」 そうして彼は、一歩踏み出した。俺は鎌を振るうことなく。 そうか。これがお前のハッピーエンドなんだな。