短編小説みんなの答え:5

バットエンドくつがえし屋(ホラー)

「なんで…なんで…」 西岡(にしおか)は悔やんでいた。もう、消えてしまおうと思っていた。 「あらら、悩んでますね?」 突然、隠密マントを被った怪しい人が現れた。 「こんにちは、バットエンドくつがえし屋です。あなた、過去に戻りたいって思ったでしょ?」 「あっ、ああ。」 西岡は何度思ったことか。過去に戻れたらと。まさか自分が好きだった子と喧嘩した日にその子が目の前で事故に遭うなんて… 「なら、過去に戻りましょう。」 「えっ?過去?」 「ええ、過去ですよ。私、バットエンドくつがえし屋はバットエンドが起こった人をお手伝いする仕事です。バットエンドが起こった人を過去に連れて行ってバットエンドをくつがえすんですよ。」 「本当か!じゃあ、何万でも払う!」 「いいえ、お金は入りませんし後払いですからね。さて行きますよ!」 すると突然、西岡の視界が暗くなった。目を開けると目の前にはもういない彼女がいた。 「えっ?!」 「なんで私のこと無視するの?!」 (あっこれはあの時の…これで逆ギレして…) 「ごめん…俺も忙しかったんだ。本当にごめん!」 「うん…まあ…仕方がないよね!」 (よかった…これなら) また西岡の視界が暗くなった。すると元の場所に戻っていた。 「おかえりなさいませ。またごひいきに。」 「あれ?ここは…」 「おーい!!」 なんと西岡のもういないはずの彼女が走ってきているのだ。 「どこ行っていたの?」 「えっと…まあ、よかった!」 「うん?」 西岡は辺りを見渡した。周りには誰もいなかった。 それから西岡は何かあるたびにバットエンドくつがえし屋を使った。ビジネスで悪いことがあればくつがえし、大怪我をすればくつがえし、そして人生で間違えればくつがえし、色々とくつがえした。そのため西岡は大金持ちになっていた。 ある日、西岡は気になった。 「くつがえし屋さん。」 「はいはーい!」 「私からお金をいつとっているのですか?」 「ああ、お金は取ってませんよ。そのかわり…」 バタン!西岡は倒れてしまった。 「あなたから命をとっていたんですよ。」 「うっ…苦しい…」 「フフッ。ではこれで…」 くつがえし屋は息を引き取ったのを確認して去っていった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1ヶ月後、西岡の葬儀が行われた。 奥さん…西岡の元彼女はずっと泣いていた。若くして行ってしまった夫を取り戻せないのかと考えていた。 すると突然目の前に人が現れた。 「どうもーバットエンドくつがえし屋ですー」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「俺も忙しかったんだ。本当にごめん!」 「私…許さない!」 彼女は道路に走っていった。赤信号なのを無視して…鈍い音が響く。夫を守るためには自分の命も犠牲にしてもよかったのだ。 彼…西岡は号泣する。 「これだから人間は面白い。」 くつがえし屋はどこか闇へと消えていった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あなたもバットエンドくつがえし屋には気をつけて…おや、嫌な過去があったんですか?それ、バットエンドくつがえし屋にお任せください…

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