虹色に輝くダイヤモンドの指輪
「出会ったときからずっと好きでした!僕と、付き合ってください!」 私・苺花(いちか)は、今日の放課後、同じクラスの翔太(しょうた)くんに告白された。 「私も、翔太くんのことが好き。私でよければ、よろしくお願いします」 「まじ!?嬉しい!!やったぁ!!」 こうして、中学1年生の冬、初めての彼氏ができた。 交際から1年。たまにケンカをすることはあるが、今でも翔太くんとは付き合い続けている。今日は、翔太くんと、イルミネーションを開催しているショッピングモールに来ている。 「苺花、お誕生日おめでとう。まだ、本物のやつは買えないけど……。4年後になったら、本物のダイヤモンドのついた指輪を持って、プロポーズするからね。約束だよ」 今日、12月27日は私の14歳の誕生日。翔太くんは、私に指輪をくれた。 「ありがとう。大切にするね。あと、4年後、楽しみにしてるね」 この日、翔太くんと見たイルミネーションは、今までで見たイルミネーションの中で一番綺麗だと思った。 あれから4年の年月が経ち、私は高校3年生になった。けれども、翔太くんはもう、私のとなりにはいない。翔太くんは中学3年生の夏、暴走車に轢かれて帰らぬ人となった。今、私は、亡き彼氏のことを想いながら、残された少ない期間で大学受験に向けての勉強に励んでいる。 12月27日。今日は、私の誕生日で、翔太くんと付き合い始めた日でもある。私は、久しぶりに翔太くんに告白された場所、空き教室へ行った。教室の中は、誰もいなくて、しーんとしていた。窓の外では、雪が降り積もっている。 (5年前、翔太くんと付き合い始めた頃も、こんな風に雪がしんしんと降り積もる日だったな──) そんなことを思っていたら……。 「久しぶりだね、苺花」 声の方に顔を向けると、翔太くんがいた。 「翔太くん!?なんで、ここに──!?」 そう言ってから気づいた。翔太くんは、生きていた頃と全く変わっていないように見えるが、体が半透明で、向こうの景色が透けて見える。 「4年前の約束、覚えてる?ほら、僕たちがイルミネーションを見に行ったとき。僕、『4年後になったら、本物のダイヤモンドのついた指輪を持って、プロポーズするからね。約束だよ』って言ったでしょ?」 ──嘘、もしかして……!? 「僕、今ではこんな姿になってしまったけど、キミへの愛情は変わらないよ。これからもずっと、愛してる。だから、これを受け取ってください」 翔太くんは、小さな小箱のふたを開け、中に入ったダイヤモンドの輝く指輪を見せた。そして、その指輪を、私の左手の薬指にはめた。その瞬間、翔太くんの姿がだんだんと薄くなり始めた。 「うん、私も、愛してる」 私がそう言った瞬間、翔太くんは、幾千もの光になって消えてしまった。けれども、私の左手の薬指にはめられた指輪は、まだある。私の瞳から流れ落ちた涙が指輪に当たり、ダイヤモンドが虹色に輝いた。