誰にだって生きている価値があって、特別な人間なんだよ!
「‥‥もし、僕が君と入れ替われたらなぁ‥‥」 「っ!何言ってるんだよ?」 僕‥‥佑太(ゆうた)は、幼馴染のシュウマと話していた。 僕は運動も勉強もできないし、性格だって良くない。 そんな僕は、自分が嫌いだった。 一方、シュウマは運動も勉強も無難にこなせて、性格もいい。 きっと彼女は、自分のことが好きなんだろうな。 ――僕が、シュウマと入れ替わることができたら、きっと幸せなんだろうな。 そう思ったと同時に、僕の口は勝手に動いた。 「‥‥もし、僕が君と入れ替われたらなぁ‥‥」 「っ!何言ってるんだよ?」 シュウマは驚いたように目を見開いた。 「佑太?どうしたんだよ。なんで入れ替わりたいなんて言うんだよ」 「だってさ‥‥僕にとっては苦手なことが、君にとっては得意なことだろ。それに、僕と君の性格は真逆で、君の方が優しくて、明るくて、楽しいじゃないか」 「な、なんか嬉しいこと言ってくれるな‥‥」 シュウマは照れくさそうに呟いてから、ハッとして言った。 「でも!だからって俺と入れ替わりたいなんて言うなよ!」 「‥‥しょうがないだろ。こんな僕より、何でもできる君の人生の方が何百倍の幸せだろうな‥‥」 「いい加減にしてくれよ!」 俺が喋っている途中、シュウマは声を荒げた。 「‥‥え?」 「なんで入れ替わりたいって言うんだよ!佑太っていう人間はこの世界をどれだけ探したって、お前しかいないんだよ!それなのに、なんでお前は自分を否定するんだ!」 「‥‥いやだって、僕と違って、君は特別な人間だから‥‥」 「そうだよ!俺は特別な人間だ!だけど、それはお前も変わらないんだよ!お前だって、たった1人の佑太っていう人間だろ?もう二度と生まれてこない、超々スーパー特別な人間なんだ!それは誰だってそうなんだ!この世に、特別じゃない人間はいないんだ!!」 「‥‥っ」 俺が黙っていると、シュウマは優しい声音になった。 「急に叫んでごめん。‥‥だけどさ、もう自分を責めるのはやめてくれ。誰だってそうだ。誰にでも生きてる価値があって、誰だって特別なんだ。それを認めてくれ」 「‥‥ありがとう」