短編小説みんなの答え:2

『俺にはお前がいるんだ。』(感動系)

俺、蓮斗。中1なんだけど、彼女を持っている。その子は 「おーい!レオー?」 幼馴染の、ぬい。 「うるさいなぁ…ったく。」 昨日から、一週間のお泊り会。…というか、俺がぬいの家にホームステイ中。 「ウチの家やし!」 「はいはい。で、何?」 「今日は何の日でしょうか!」 急だな、オイ。 「えーと…」 「ウチラが付き合い始めた記念日だよ!!!」 「あ、そうだっけ。」 「もう!2周年なんだから覚えてよね!」 「ごめんごめん」 「もう…今日は水族館行くんでしょ!?」 「あぁ、そうだった。じゃ、行くかぁ」 「レオ、お金払ってあげようか?うちが行きたいって言い出したんだし。」 「いやいや、どうせ、俺しか払わないんだから。」 「ねぇ見て!チンアナゴ!可愛い!」 「そうやね。」 周りの人に見られる気がする。 「あの子何してるのかしら…」 そうだった。ぬいは、生まれつき身長がちっちゃくて、周りから見ると、兄と妹のレベルくらい小さいんだ。 だから。 「ちょっと君。ここで何してるの。」 「え、水族館を見に来たんですけど。」 よく警察の人に話しかけられる。 「って…保護者の人は?」 「レオ、どうかした?」 「いや… 俺中1なんですけど。中1から保護者なしでいいんですよね?」 「じゃあ、一人でブツブツ言ってるの、やめてくれない?君が来るたびに苦情がすごいんだよ。」 「…レオ?」 「…わかりました。今後気をつけます。」 二人、と言わないところが違和感となり、時に喉に引っかかる。 「レオ!ガチャガチャ行こ!!限定のやつもあるっぽいよ!」 「マジで?!あそこ一回500円のばっかじゃん。」 「いいじゃん!思い出だよぉ!」 頬を膨らませた顔はまるで幼い日のぬいを丸写ししているようだ。 「ったく、」 俺はぬいの手に500円を握らせる。 「!ありがと!」 ぬいの顔がパァッと明るくなる。 「お前、中学の勉強終わったの?」 「レオは?」 「俺は私立で多いからとっくの昔に終わらせた。」 「そっか…」 「お前と俺は学校で会えないんだよ。だからこういう時間は大切にしたい。」 「…別に学校で会えるのに?」 周りの目線がどんどん痛々しくなっている。なんでだ。 「会える…けど…」 「もういいから。あの日はしょうがなかったんだよ。」 胸が痛い。 「ちょっと、外出て話さない?な、ぬい。」 「あの日はほんと。楽しかったよね。」 「あれは…」 小1の夏。 あの日俺らは川に遊びに行っていた。 釣りしたり。 川で泳いだり。 各々が好きなことをやっていた。 楽しかった。 その時までは。 雨が降ってきた。 ポツポツポツ。 音を口で復唱しながら、車に戻ろうとした。その時気づいた。ぬいがいない。 「ぬい!どこいったの?!ぬい!」 俺は必死に叫んでいた。 冷たい。 怖い。 どこいったの? ねぇ。 「!ぬい?!」 川の向こうに姿が見えた。…笑っている。 「ぬい!まってて!おかあさんよんでくるからっ!」 「(フルフルっ)」 ぬいは首を振った。 どうして。 「!」 (ボッチャーン!) 「ぬいっ!」 ぬいは川へと飛び込んだ。俺は走って、大人を探しに行った。 あれから3時間が経って、ぬいは発見された。 氷のように冷たくなった状態で。 「ぬい…なんで…どうしてなん…」 幼いぬいの頬に俺の涙が伝う。 「うわぁぁぁぁぁ!!!」 いつしか泣いていた。 「あの日は本当に事故だったんだって、お母さんも言ってたよ。だから心配しないでって!」 「するに決まってんだろ?!俺の妹同然なんだから。あの日、お前は待ってたら生きてたんじゃないのかよ…」 服ごと透けているぬいの足に目を向ける。足の原型はない。 「もういいんだよ。あの日、ウチ、生きてたら…どっちにしても…親に殺されてたんだよ…」 「…それなら、俺が死ぬ。俺が死んで、天国で本当に付き合おうぜ?それなら問題ないだろ。な?それでいいんだ。だから…」 「良くないっ!」 言葉が詰まる。言いたい事いっぱいあるのにな。 「…ごめん。先走った。…俺はどうしたら…」 「悩んでるのはレオに似合わないよ。」 「もういいからさ。レオはレオらしく、自分の人生全うしてきてよ。」 俺、何言ってたんだろ。俺は、ぬいが死んで悲しかった。 てことは、俺の親も、ぬいも、他のトモダチも、悲しむんだよな。 「ごめん、ぬい。ぬいの言う通りだった。俺、ちゃんと生きる。だから、近くにいてくれね?」 「…あ、」 「!」 俺は、とっさにぬいに駆け寄った。体が透け始めているんだ。 「ぬいっ?!」 「あ、ごめん。言い忘れとった。ウチね、」 体が透けていく。もう首まで。 「6年で本当に消えるんだった。」 (フッ…) 「ぬい…!」 ぬいが座っていた椅子には、ガチャの景品が残っていた。 END

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