恋した君が残した鉛筆
私は、菜乃 理依奈(なのりいな)。中1。 そして、隣の席には、、、恋した相手、瀬柿 ナノトくんがいる。最高の席だ。 そうして、、、月日が過ぎ、ある日私は鉛筆を落とした。 落とした鉛筆を彼は拾ってくれた。 「ありがとう」と私は言った。彼はニコッと笑った。こんな時間がいつまでも続くといいな。 そう思っていたとき、あの日撃がおきた。 私とナノトくんが乗っていた電車の車両に車が突っ込んできた。 そして、私にぶつかろうとしてきた。 そこを、彼がかばってくれた。 そうしてその後に、彼の“最後の言葉”が聞こえた。 「復讐なんて考えずに生きて」と。 「ああ。どうか死なないで。死ぬ前に私の言葉を聞いて?」と言った。 しかし、彼の反応がなかった。ああ、どうしよう。 こんなことになるなんて思っても見なかった。 ひんやりしていく彼の手を握りながら私は泣きじゃくった。 それから一ヶ月後、あの彼が拾ってくれた鉛筆が出てきた。 思い出したら泣くから泣かないようにしてきたけど、今回はダメだった。 私は鉛筆を握りながら泣いた。 親が止めるまで泣きじゃくった。 いつまで泣いていたんだろう。 気が付けば翌日の朝になっていた。 事故の後の一ヶ月は、学校に行ったり行かなかったりした。 あの事故から十年後。 あのとき、彼が私をかばっていなかったら私は死んでいたことを実感した。 その日は、彼の誕生日だった。 それと、“あの言葉”をもう一度思い出した日。 だから、彼に私はとても感謝している。 そして、あの世に行く話みやげを毎日作っていくんだ。 彼に会ったらその話をいっぱい話すんだ。 そうしたら、君はどんな反応をするかな? 彼は、私が告白したら付き合ってくれるかな? これから毎日一生懸命、君の分まで生きていく。