消しゴム
「あ、落としたよ、望月さん」 隣の席の美女、望月菜々さんの消しゴムを拾った。 すると望月さんは、あっと呟いたかと思うと、わなわなと震えて、 「あ、ありがとう……!」 僕・鈴谷斗和の手から消しゴムを取った。 すると、それから10分後、何かが机に投げられた。 白い、小さくおられた紙だ。 ノートかな?そう思って開けてみると、 『鈴谷君のバカ 望月菜々』 ……え?バカ? な、なんか僕したぁ!? 休み時間、友達の光輝に相談してみた。 「消しゴムに、好きな人の名前書いてたんじゃね?」 「何それ」 「消しゴムに好きな人の名前書いて、誰にも触られずに使い切れたら両思いになれるんだって」 え!?僕、思いっきりアウトじゃん! 「じゃあ、バカって言われて当然じゃん」ショボボ 「え?好きなの?」 「ちちち、ちげーし!」 好き、かぁ……。 私、望月菜々。 消しゴムのおまじないをしていて、その…書いていた名前、「鈴谷斗和」くんに触られてしまった。 そして、あ、やばいって思って、 『鈴谷君のバカ 望月菜々』と書いた紙を投げてしまった……。 きっとショックだったよね……。 「最悪……」 「何が?」 すすす、すす、鈴谷君!! 「ななななななんでもないですよー……」 ど、動揺が隠せません……。 「ねー、望月さん、なんでバカって書かれた紙を渡してきた?」 「そそ、それは!消しゴムのおまじないをしていて、好きな人本人に触られたから投げたとか決してそう言うことじゃないから!!」 「え……!?」 え…? 私、消しゴムのおまじないを……あ、あああああ!! これって、こ、告白しているようなもんじゃん!? 「消しゴムのおまじないを(以下略)決してそう言うことじゃないから!!」 「え……!?」 嘘、それって俺のこと……! 「俺もだよっ」 「ひゃぁぁっ!や、やめてくださいぃ……。みないでください…」 きゅんっ か、かわいい…! 「かわいいねー」 「うるさい!!バカバカ!」 たった消しゴム一つで、私・俺たちの恋は始まった。