僕が好きなのは、可愛くて鈍感な名探偵さん。
「名探偵ミナには、すべてお見通しだよっ!」 ――いや、全然当たってないですけど!? 僕‥‥光輝(こうき)は、勉強苦手で運動得意の高校1年生だ。 そんな僕には、好きな人がいる。 その子は、ミナっていう、ちょっと天然っぽいところが可愛いクラスメイトだ。 さらにミナとは隣の席で―― 「光輝くん!おはよ~!」 天使の声が聞こえた。 横を見ると、ミナが明るい笑顔を浮かべて立っていた。 「ミナ、おはよう」 「あ、光輝くんに伝えたいことがあるんだった!」 ミナはポンと手をたたくと、僕の耳のそばでささやいてきた。 「今日の放課後、屋上で待っててほしいんだ!」 放課後、屋上? これって‥‥ もしや告白!? ☆彡 放課後、屋上にて。 僕が待っていると、ミナが走ってきた。 「ホントごめんっ!遅れましたっ」 ミナが謝ってきた。 「僕もさっき来たところだから大丈夫!」 僕が答えると、ミナは「よかったぁ」と座り込んだ。 「‥‥で?話すことってなにかな?」 僕が緊張しながらも聞くと、ミナが「そうだった!」と大きい声を出した。 「あのね‥‥私‥‥」 ミナがおもむろに話始める。 僕が「うん‥‥」と言うと、ミナは続きを言った。 「私、分かっちゃったんだ。光輝くんの好きな人」 ‥‥え!? 「分かっちゃった!?僕の好きな人が!?」 「うん」 「じゃ、じゃあ、言ってみてよ。誰なのか」 僕が早口に言うと、ミナは口を開いた。 「ユアちゃんでしょ?」 ‥‥。 え? 「な、なんでユアちゃんなの!?」 「勘だよ!」 推理してないじゃん! するとミナは腕を組んで「ふっふっふっ」と言った。 「名探偵ミナには、すべてお見通しだよっ!」 ――いや、全然当たってないですけど!? 「あのね、ユアちゃんには彼氏がいるんだよ?」 僕が説明すると、ミナはフリーズした。 だけどすぐに顔を真っ赤にして「えぇぇ!?」と叫んだ。 そんな彼女を見て、僕はつい笑ってしまった。 鈍感だなぁ。ミナは。 僕の好きな人なんてきまってるじゃないか。 僕の好きな人は、君だよ、名探偵さん。