僕の大好きな彼女。
告白された時、面倒だなって思った。 だって、付き合うとか、恋愛とか、よく分かんないし。 僕はまだ恋愛に走りたくないし。 だから断ったんだけど…。 彼女はそれから何度も告白してきた。 流石に五回目、断るのは可哀想だ。 そんな罪悪感と同情で、流れでokした。 最初の告白から2年が経っていた。 僕らが中高一貫校でよかった。 僕はよく笑う人が好き。 そう言うと、彼女はさらに笑うようになった。 僕は頭がいい人が好き。 そう言うと、彼女は50位も順位を上げた。 僕は長い髪の子が好き。 そう言うと、彼女はいつのまにか肩から腰の少し上まで髪を伸ばした。 健気だなあ。 必死に僕に好かれようとしてて、馬鹿みたいだ。 愛だの、恋だの、馬鹿げてる。 そう思ってたーー。 一年後。 彼女はこう言った。 「…私のことが好きじゃないのも、私と同情で付き合ったのも、知ってる。だけどーーお母さんに、会って欲しいの。お母さんを安心させたいから。」 なんで?面倒だなあ。 そう思いながら一緒に向かったのはーー彼女の家ではなかった。 「お母さん。体は大丈夫?」 ここは、病室? 「大丈夫よ。で、その子は?はじめまして。」 「はじめまして。おつき合いさせていただいてます。」 「まあ!」 彼女の母親の顔がパッと明るくなる。 「そうなのね、良かったわ。この子が彼氏なんて言うものだから、戯言かと思っていたのだけど。ほんとに幸せなのね。お母さん、安心したわ。」 彼女は、母親を安心させられたようで、ひどく満足した笑みを浮かべていた。 「今日はありがと。お母さん、珍しく顔が輝いてた。」 「…。」 何も答えられなかった。 面倒だと思った自分が恥ずかしくてたまらなかった。 「予定もあっただろうに、勝手に付き合わせてごめんね。」 「…大丈夫。」 同情、罪悪感。それらは自分を美化しているにすぎない。あなたのことを気遣ってますよ、とアピールしてるみたいで、気持ち悪い。 彼女にそんな気持ちはない。優しいです、気遣いできますアピールも、なにもない。単純に、母親を心から心配して、そのためには自分が相手から想ってもらえなくても母親のために頑張る。 僕は、そんな彼女の恋人。 好きになる努力をしてみなければならない気がしたーー。 二か月後。 僕の彼女の長所を見つけた。 優しくて、コミュニケーション能力が高い。 他にも僕に好かれようと努力した結晶は、結果として長所になってる。 あの日から思っていたが、彼女はとても純粋でいい子なのだ。 そんな時、彼女は僕の親友と話していた。 笑ってた。 あの笑顔はーー。 なんで。あんなやつに、なんで笑ってるの。 僕は、あの笑顔を向けてもらったことなんてない。 この気持ちの正体はーー嫉妬? そんなわけ。 「恋人ってね、足りないものを補い合える人のことだと思うの。」 いつしか、彼女はそう言った。 彼女は、僕に足りないものを沢山持ってる。 自慢の彼女。 彼女は、僕のものだ。どの男にも奪わせない。 「ねえ、別れたかったら、別れてもいいんだよ。いつまでもドロドロと、この関係続けたくないでしょ?」 「…親友のことが好きなの?」 「へ…?」 「僕は、別れたくない。」 「でも、嫌なんじゃ…。」 「嫌じゃない。なら、僕から告白させて。僕はーー。」 君が、大好き。 ーーーーーーーーー 読んでくれてありがと! ぜひ感想を聞かせてね