残されたもの
余命宣告を受けた。 病気の名前は難しくてよく分かんなかったけど、プロの医者でも手の施しようがないらしい。どうやら私は、あと一ヵ月しか生きられないみたい。 私が重い病気だと知った時、両親や親戚は「こんな子もういらない、うつる」と言って私を捨てていった。 その言葉を聞いた時、私は心の中の何かがなくなった気がした。 しばらく絶望のあまりぼーっとしていると、病室の扉が勢いよく開いた。小学生の頃から親友だったみゆちゃんだった。 「さきちゃんが入院したって聞いて!学校早退して猛スピードできた!」みゆちゃんからはぜえぜえと息が上がっている。 「大変だと思うけど、さきちゃんには私がいるから!頑張って治そう!?そしてまた遊ぼ!」みゆちゃんはそう言った。 どうやら、私があと1ヵ月しか生きられないというのを、知らないらしい。一ヵ月後、私が死んだらと思うと、みゆちゃんは、どう思うのかな。かわいそうだな。でも私は余命のことは黙って、みゆちゃんのために最後まで頑張ろうと思った。 私にはもう、家族も命も、何もかも失ったかも知れない。でも、本当の友達だけは、残っている。