私の息子
息子が死んだ。まだ16歳だったのに。母の日に些細なことで私と大喧嘩して家を飛び出して。そのまま死んだ。 「少し言い過ぎたかな」そんなことを考えていた時だった。めったにならない固定電話が鳴った。 警察からだった『息子さんと思われる人が事故にあいました。遺体の確認を、、、、、』そこからは何を言われたか覚えていない。 人違いであってほしい、わずかな希望にすがりながら警察署に行った。顔に白い布をかけられて横たわっていたのは紛れもない息子だった。 息子は私へのプレゼントを買いに行った先でトラックにはねられた。 放心状態で家へ帰った。息子との思い出が次々に思い出される。あんなことを言わなければよかった、もっと成長を見守りたかった。 ふと息子の部屋に入った。生きていたころは入ったら「ババア、ノックぐらいしろよ」と怒鳴ってきたっけ。 手紙が置いてあった。 「母さんへ 俺みたいなバカ息子を育ててくれてありがとう。受験でも失敗して、成績も振るわない。挙句の果てに友達ともめて手を挙げる。 そんなやつを今まで嫌な顔一つせずに育ててくれたことに本当に感謝しています。」 私は泣いた。出し尽くしたはずの涙があふれてくる。そして、息子のもとへ行こうという気持ちや、轢いた運転手への復讐心がきれいに消えた。そんなことをしても息子はきっと喜ばない。天国の息子に胸を張って会えるような人生を歩もう。そう思った。(END)