ツバメになりたい姉と、やり直したい妹
私は生まれつき体が弱く、今まで元気に走ったことなどなかった。それどころか最近は病状が悪く、病院生活を送っている。 ベッドで横になっていると病院のすぐ隣にある公園が見えた。私と同じかそれより年下の子達が楽しそうに駆け回っていた。 「私も普通に産まれてきたらあんなふうに楽しく駆け回れていたのかな・・・」そう思うと涙が出てくる。 ちょうどその時ツバメが空を舞った。「私も、あのツバメのように自由に空を羽ばたきたい・・・」 気がついたら、私は窓に手をかけ、飛び降りようとしていた。 ガラガラガラ 「お姉ちゃん、お見舞いに来たよ」 妹の視界に窓から飛び降りようとしている直前の姉の姿が写った。 「何してるの!?自殺なんて駄目だって。」 すぐさま姉を妹がベッドに戻そうとする。力では病弱な姉ではかなわず、仕方なくベッドに戻された。 「何があんたに分かるのよ。いいわよね、あんたは元気に走れて。学校生活はどう?さぞ楽しいでしょうね?」と皮肉もふくめて嘆く。 「今ここで生きているだけでもお姉ちゃんは幸せなんだよ。もうこんなことしないでよ」と花瓶を持ってドアに手をかける。 「じゃあ私、花瓶に水を入れてくるから。」 ガラガラガラ と出ていった。 しかし、水を入れにいかず、その場でうずくまった。 「お姉ちゃんに何が分かるの。私のこと、何も知らないくせに・・・」 妹の頭の中には、ゴミ箱の中からで出てきた上履きや、「死ね」だとか「消えろ」など油性ペンで落書きされた机などの日々の記憶の欠片が浮かび上がっていた。 「もういいや、こんな人生やり直せばいいし。」 妹が向かった先は、屋上だった。