桜の勇気
あの日と同じ桜が咲いていた。 私は胸が苦しくなって、桜の木から目を背け走り出した。 「なぁさくら、シャーペンかしてくれない?」 最近隣の席になったばかりのゆうきくんは何やら私に話してくる。 「いいよ。はい」 私はゆうきくんに手にシャーペンを乗せると、ゆうきくんは 「あっ、ありがとな」 と少し顔を染めてつぶやいた。ゆうきくんはクラスでもかっこいいと人気の男の子だ。そんな人がこんな私に話しかけてくるなんてどうかしてるって思ってたけど、今はすごくうれしい。 授業が終わり帰ろうとしたとき、ゆうきくんが手紙を渡してきた。 「待ってるからな」とぶっきらぼうに言って走って行ってしまった。 手紙には、『桜駅前公園 3時 ゆうき』と書かれていた。 私はびっくりして、急いで家に帰り支度をして公園に向かった。 桜が散っていた。きれいに羽ばたいていた。 ゆうきくんは私を見ていった。 「好きだ!ずっとさくらが好きだった!」 私は気づいたら涙を流しながら首を縦に振った。 すごく幸せだった。 この幸せがいつまでも続くと思っていた。