父からの『手紙』
愛永(あいな)「お父さんなんて大っ嫌い!もう一生顔も見たくない!」 あんな事を言って何年経ったのだろう… あの喧嘩から約4年…あの時から一度も父と話していない。 喧嘩の理由はというと…中学受験の為の勉強の時間が短いという理由だ。 平日5時間、休日10時間はしていた。 なのに父には 「もっと勉強しないと受からない。」 「短い」「休日15時間はできるだろ。」 そんな事ばかり言ってきた。 確かに今思えばもっと出来たかもしれない。 でもあの頃の限界が10時間だったから… そして私はストレスが溜まって父に言ってしまった。 それがきっかけで喧嘩が始まってもう4年も経ってしまった。 愛永『はぁ…今日こそは謝ろう…』 いつもそう思うが体が動かない… なんで?どうして?謝りたいのに…ごめんなさいって言いたいのに… 父と母が病院に行って4時間が経った。 実は最近父の様子がおかしかったのだ。 毎日しんどそうで… 愛永『まだかな…』 そう思っていると母が帰ってきた。 愛永「おかえり…お父さんは?」 母「お父さんね、癌なんだって…だから入院になったの。大した事ないとはないってお父さん笑って言ってたけど…」 愛永『え…』 私は頭が真っ白になった。 母「お見舞いに行って謝ったら~?お父さんも鬼じゃないんだから謝ったら許してくれるわよ。」 愛永「うん…考えとく」 そう言って自分の部屋に向かう。 ベッドに寝転がり、私と父が仲直りした時の事を思い浮かべてみる。 愛永『え、、どうして涙が。』 気がつくと私の目には涙で溢れていた。 愛永『お父さんの事…大好きだったのかな…お見舞いに何か作って持って行こうかな、』 そう思い私は父が大好きな野球のキーホルダーを作ることにした。 野球のボールにバッド。初めてフェルトで挑戦してみた結果、意外に可愛く作れた。 愛永『これ…喜んでくれるかな』 そう思いながら時計を見るともう11時。 愛永「やばっ!寝ないと。」 そして私は眠りについた。 そしてお見舞いに行く前日の事。 病院から電話がかかってきたそうだ。 「奥様ですか?旦那様がすごく危険な状態になっています。今から病院に来てもらうことは可能でしょうか?」 母はメイクもしないで家を飛び出し病院に向かった。 その日は私は部活があって病院に行けなかった。 母「貴方!」 そこには苦しそうにしている父の姿があった。 父「もう、無理かもしれん…今まで世話になった。これ、俺が死んだ時に愛永に渡してくれ。」 そう言って母に手紙を渡した。 母「えぇ…わかったわ。」 父「よろしくな…こんな俺だけど愛してくれてありがとう」 そして父は静かになり気づいた頃にはあの世に旅立っていた。 母「今までありがと…」 静まり返っている中私は病院からの電話を受け、早退して今病院に着いた。 愛永「お父さん!」 私は目の前に広がる光景に驚きが隠せなかった。 愛永「え、嘘でしょ…ねぇ、ホントなの…?」 母「愛永…これ。お父さんが貴方に書いた手紙。」 そう言って私に渡して母は病室を出た。 その手紙の封筒には震えた字で『愛永へ』 と、書いていた。 私は手紙を読み始める。 愛永へ この手紙を読んでいるということは俺がもう、あの世に飛び立ったということでしょう。 この約4年間。俺は毎日愛永の事で頭がいっぱいだった。 どう謝ろうか…どうしたら仲直りができるか… でも、こんな形でしか謝ることができなかった。 あの時は本当ごめんな。 話は変わるが、愛永の名前の由来知っているか? 愛するの『愛』に永遠の『永』。 愛されるの『愛』に永遠の『永』。 いろいろな人を永遠に愛し愛される人になって欲しいと思い付けた名前だ。 俺は凄く愛してた。 でも、こんな俺に愛されても愛永は嬉しくないだろうな。 本当にごめんな。こんな親で… そして、生まれてきてくれてありがとう。 そして数年後、かっこいい旦那さんを連れて、大人になったお前を俺に見せてくれ。 父より 手紙を読み終わった時手紙には涙が数滴垂れていた。 愛永「もっと早く謝ってれば…」 悔しさと後悔のあまり涙が止まらなかった。 愛永『こんな私を愛してくれてありがとう…』 そして数年後。 私は結婚し、旦那さんを連れて実家に帰った。実は夢を叶える為実家を離れていた。そして今、父との約束を守る為旦那さんを連れて帰ってきた。 私は仏壇の前に座る。 愛永『お父さん。私大人になったよ』 心の中で呟いた。 あの手紙は、あのキーホルダーと一緒にお守りとして毎日持ち歩いています。 父が見守ってくれている気がして…
みんなの答え
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泣かせられた
何て凄いんだ泣かせられたー
うわー、感動!!
すごくいい作品ですね!えっ、まろんさんホントに私と同い年?!めっちゃ感動したよー もう泣きそうになったー!また、まろんさんの作品が読みたいです♪
まじ泣きそう…
元「なな」の「修菜(しゅうな)」です。 …ほんといい話。感動しました。 私は正直言って、父がうざいです。だから、最初の1行からこの小説にひかれ、読みました。 さすがに父かわいそう… 同感するとこいっぱいあって、物語の中に入りこめました。 同感するとこあるだけじゃなくて、スト一リ一もちゃんとできててほんとスゴいです。 めちゃくちゃ後悔したでしょうね…もう少し早く謝ってれば…って。 切ない家族のお話を、書いてくれて本当にありがとうございます。 まろんさんのファンになりました!これからも応援し、読みます!