短編小説みんなの答え:27

カウントダウン 【ぜひ、読んでください】

 私は生まれつき、特殊な能力を持っている。  私は、人があと何年生きることができるのか分かるのだ。みんなの胸にデジタル時計のようなものがついているのが見えて、それが人の寿命を表していることに気づいたのは小学3年生のときだった。  ちなみに私の寿命はあと75年と3ヵ月と10日と14時間と51分と33秒。今私は15歳だからだいたい90歳くらいまで生きることができる。意外と長いでしょ?  そんな私は今、やらないといけないことがある。友達の若菜のお見舞いだ。若菜は先月から入院している。本人は盲腸だと言っているが、私は若菜が重い病気を患っていることを知っている。だって、若菜の時計は若菜の寿命はあと6日と3時間と20分と3秒しかないことを示していたから。  救ってあげられるなら救ってあげたいけど、私は寿命が分かる能力を持っているというだけで、それを延ばす能力は持っていない。若菜があと少しで死んじゃうって分かってるのに、見殺しにするしかないなんて……  ゆっくりと若菜のいる病室のドアを開ける。気のせいか、少し重いような気がした。 「あ、梨花!今日も来てくれたんだ!」  元気そうに振る舞っている若菜の姿は痛々しい。 「私ね、梨花と一緒に行きたいところがあるの!来て!」 「え?」  若菜が元気に立ち上がる。あと1週間も生きられない人にはとても見えない。 「どこ行くつもり?」 「中庭!綺麗な花が咲いてるんだよ」  元気に病院の廊下を歩く彼女の背中はどこか儚く、寂しく、悲しかった。  中庭に咲いていたのはタンポポだった。なんだ、タンポポかって思った?思ったでしょ。でも、本当に綺麗だよ。たくさん、咲いてるの。辺り一面タンポポ。 「春だねぇ」 「うん」  春にしては強い日が私たちを照らす。この日は雲1つない青空だった。 「ねえ梨花」  若菜が真剣な顔つきになった。私は直感で分かってしまった。若菜がこれから何を言うのか。聞きたくない。若菜の口から聞きたくない。若菜の口から聞いたら、若菜が死んじゃうって嫌でも思い知らされる。 「私、もうすぐ死ぬの」  分かってたはずなのに、ずっと前から知ってたはずなのに、涙が溢れた。 「もう、何日も生きられないんだって」  若菜がうつむく。 「もしかしたら、明日発作が起きて、急に死んじゃうかもね」  若菜は笑った。若菜ですらしらない余命を、私が知っている。あと6日。あと6日で若菜はこの世からいなくなってしまう。でもそれを私は若菜に伝えることはできない。 「ごめん、梨花には早く伝えなきゃって思ってたんだけど、言いづらくて」  若菜の声が涙声へと変わる。私も辛い。でも若菜はそれ以上に辛い。神様はひどいよ。私から若菜を取り上げるなんて。  私と若菜は抱き合って、泣いた。泣きつかれて、ベンチに座る。涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔を2人で笑った。 「梨花」 「なに?」 「幸せにならないと、許さないからね」 「……分かってるよ」  指切りをした。歳も忘れて大声で歌った。  そのときだった。  いきなり、若菜の時計が壊れたようにチカチカしだした。数字がぐるぐるまわって、不気味だった。 「な、なに……?」 「え、どうしたの?梨花」  この時計は私にか見えてない。辺りを見渡す。あの急いでいる看護師も、車椅子にのっている患者さんも、その患者さんに話しかけている家族も。みんなの時計が壊れたようにチカチカし、数字がぐるぐるまわっていた。もちろん、私の時計も……。 「どうなってるの?!」  得たいの知れない恐怖が心を蝕んでいく。そして、時計の数字は消えた。 「え……」  数秒経ってからまた動き出した時計に写し出された数字は……  10  若菜の時計も私の時計も、みんなの時計も、10からカウントダウンが始まっていた。  9  死ぬ、90歳まで生きるはずだったのに、あと9秒で、死ぬ。みんな、死ぬ……?  8 「若菜!私たち、死んじゃうよ!!逃げなくちゃ!」 「ど、どういうこと?」  困惑している若菜の手を掴み、走り出す。  7  逃げなくちゃ……逃げる?どこに?みんな死んじゃうのに。てゆうか、何で?何で私たち、一斉に死んじゃうの?  6  大量に、同時に人が死んでしまう。いや、殺されてしまう。そんなことができるのは……。  5 「核兵器……?!」  4  気づいたときには遅かった。青い空に飛行機が飛んでいた。その飛行機が何か黒くて大きいものを落とした。爆弾だ。  3 「若菜っ!!」  2  嫌だ!死にたくない!!そんなものに、殺されたくない!!  1  凄まじい爆音が聞こえた。それと同時に私たちの時計は0になった。  本当に、本当に、平和な世界になってほしいです。

みんなの答え

辛口の答え

※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!

よかったです。

手塚治虫のブッダのようですね。 発想が素晴らしかったです。 リスペクト~


なんか

『名のないシシャ』(山田悠介)を彷彿とさせます、、


すごい!!

ドキドキして読みました。平和の大切さがわかり、とてもいい作品だと思います。まさか、こんないい作品を書ける子供がいるとは。。。見習いたいです!!!


すごく読みやすい

話がどんどん頭に入ってきてすごく読みやすかったです。ありがとうございました。


平和が1番ですよね

りここです この想像力は凄いですね 想像力豊かは良いですよね 私想像力狭いんですよ涙涙 最後が衝撃的でした うわぁって感じでした では


すごすぎ!

こんな作品を書ける人が この世にいたとは…


すごっ!

めちゃくちゃ感動しました!私は、華さんみたいな文章能力のある人になりたいわ~ また書いてください!


涙です…

華さん、年下からすみません!すごい! 切ないふんいきから一転、ビックリ…そして、泣きそうになりました… 平和が続きますように!


かなしいよ

こわい。へいわってだいじなんだね。はなさんのおはなしもっとよみたいな。どきどきするから・・・


めっちゃドキドキする作品

思ってた展開と全然違って、 良い意味で裏切られたというか… とにかく、この作品大好きです~!!! 私もこんな小説書けるようになりたいなぁ… 華さん尊敬します!!!


1120を表示

他の相談も見る

ランキングページへ

相談に答える

相談の答えを書くときのルール

【「相談する」「相談に答える(回答する)」ときのルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
ニックネーム必須

※3〜20文字で入力してね

※フルネーム(名字・名前の両方)が書かれた投稿は紹介できません


せいべつ必須

ねんれい必須
さい

※投稿できるのは5〜19さいです


都道府県必須

アイコン必須

答えのタイトル必須

※30文字以内


じこしょうかい

※140文字以内

※自分の本当の名前、住所などの個人情報(こじんじょうほう)は書かないでね


ないよう必須

※500文字以内


辛口

※ないようがきびしいコメントの場合はチェックをつけてね!


ひみつのあいことばを設定してね

他の人にわからないように、自分しか知らないしつもんと答えを入力してね。

※ひみつのあいことばは忘れないようにしてください

※自分が選んだしつもんや答えが他の人に見えることはありません

ひみつのあいことば①必須

※使える文字: ひらがな・カタカナ・半角英数字

※半角カタカナ、全角英数字が使えないよ

※2〜20文字で入力してね

ひみつのあいことば②必須

※使える文字: ひらがな・カタカナ・半角英数字

※半角カタカナ、全角英数字が使えないよ

※2〜20文字で入力してね

※みんなで使うスマホ・パソコンではチェックしないでね

※毎日キズなんに来ていると、ずっと自動で入力されるよ。くわしくはコチラ