花言葉
先日、彼女が亡くなった。 持病のためだったという。 しかし、僕はそんな持病の話なんて何一つ聞いていなかった。 もうすぐ結婚したいね、なんて話していたのに... 彼女の意向として 「遺品整理は彼にしてもらいたい」 と書いてあったので、今日はその遺品整理に向かった。 彼女の家には、押し花がたくさん飾ってある。 彼女は、花が好きだった。 素敵な花言葉を持つ花を、毎週末僕の家に送ってくれた。 この前は、バラなんて送ってくれたっけ。 「ありがちかもしれないけど、一番好きな花なんだ」 そう語っていた彼女を思い出すと、悲しみは渦を巻き、心に大きな穴を作る。 ステージ4。 最も重大とされるステージに入っても尚彼女の持病に気づかなかった自分を責める。 しかし、不思議と涙は出なかった。 理由は...わからない。 (これは...大切にしていた物だから取っておく。これも...取っておこう。これは...) 遺品を整理するから遺品整理という名が付いている作業なのに、これではただ僕が彼女の物を見漁る作業になっている。 バカだな、と思いながら家の中をどんどん見ていくと、ふと、見覚えのないノートが置いてあることに気づいた。 手に取る。 「大好きなあなたへ」 と書いてある。 この「大好きなあなた」を自分だと思ってしまっている自分は、自惚れているのだろうか。 しばらく迷ったのち、読むことにした。 「大好きなあなたへ あなた...なんて固すぎるかな。 普段通り呼んでいい? 『大好きなゆう君へ』。 持病のこと、黙っててごめん。 でも、ゆう君のことだから、打ち明けたりしたらすごく心配すると思って。 大好きだからこそ、余計な心配かけたくなかったんだ。 ...私、今ゆう君がやってることわかると思う。 遺品整理してるけど、整理できてない。 あんなに私に優しくて私のことを気にかけてくれてたゆう君が私の物捨てるなんて、きっとかなり迷ってるはず。 あと、涙は出てない。 ゆう君はいつも、悲しい時には泣かない。 涙は、悔しい時と感動した時だけ。 でも、もうそろそろ泣き出してるかな? この手紙があったことを知って。 ゆう君、サプライズに弱いから。 もっと一緒にいたかったなぁ。 ありきたりな言葉だけど、本当なの。 最後に、この花だけ受け取って。 」 全部、全部、見透かされていた。 目から、止められない水が落ちてくる。 自分より彼女の方が自分に詳しいなんて、なんだか恥ずかしい。 最後に受け取ってほしい、と言われた花を見て、また水は落ちてくる。 頬を伝って二本の滝のように。 そこには、ミヤコワスレの押し花が入っていた。 ミヤコワスレの花言葉 『また会う日まで』
みんなの答え
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感動!!
感動しました!! 最高です! プロみたい! また書いてくださいね!
泣けるー (T-T)
{投稿した日と、回答した日が、すごく離れてますけど、読んでいただけたら幸いです。} 泣けるー (T-T) っていうか、泣きましたー (T-T) "ペンネーム・路花さん" は、本当に小説の天才です!!! 「ミヤコワスレの花言葉 また会う日まで」で、もう涙がボロボロです! "ゆう君"を、すごく大切に思ってくれている"彼女"。 また、 "彼女"が、大好きな"ゆう君"。 どちらも、最高でした! 今更言ってもあれですが、実は私、小説書きたかったんですよー (話を逸らしちゃって、すみません。) 年下から、失礼しました。
泣きました...
最後のミワコワスレの花言葉、泣けます... こんな、彼女からの見透かされていたっていうところも、また泣きました...
泣けるー!
はじめまして!ヨーグルトです!投稿した日と回答した日が全全然離れてるけど、見てくれたら嬉しいです! ~感想~ 一言で表すと、泣きました。目から涙がボロボロ出てきました。このお話が気に入ったので、いつでも開けるように保存しました。彼氏と彼女の仲良しな感じが伝わってきて...。最後の「また会う日まで」のところで一気に涙がドバーっと出てきました。本当に感動です。
もうめちゃくちゃ感動しましたぁ~
ペンネーム・路花さんは天才なんですか??めちゃめちゃ感動したんですけど・・・彼女の手紙、ミヤコワスレの花言葉、全部が全部良くてもう語彙力消失しちゃいますよぉ・・・とてつもなくいい作品ありがとうございました!