短編小説みんなの答え:319

桜の衣を変えるころ

私は眠る前に考えた。 この記憶を忘れる前に。 春の霧の中で、私は生まれた。 周りはきれいな色の霧で包まれていた。 私は純白の髪に、同じ色をした肌に同じく純白の衣を着ていて、白銀の色をした目をしていたらしい。   正面には、白に近い桜色をまとった女性がいた。   「あなたはね、山桜の桜の精よ。横の木を見てみなさい」 横には幹の先にきれいなもやをまとわりつかせた木があった。 私はその時、言葉というものを知らなかったが、その木を見たとたん、全てを悟った。言葉の存在と自分の存在を。   「ここは桜の森、桜の精の森。ここにある木には、それぞれ精がいるの。あなたが最年少で、私が最年長」 体を取り巻く色が白から桜色に変わっているのに、私は初めて気付いた。 「あなたの名前は、さん。山桜のさんよ」 私はここで暮らすんだ。  「よろしくお願いします」  戸惑いつつ挨拶をした。 「こちらこそ。私はよしのよ」 そう言ってよしのは歩いて行く。自分の木の方へ。 私も自分の木へ近づき、そこで1日を過ごした。 次の日からさんの日々は忙しくなった。毎日色々な桜の精が挨拶に来るからだ。 そんな日々が終わるころ、夏が来た。 さんを取り巻く色が緑に変わった。 桜の花が散ったからだよと、ある桜の精が教えてくれた。 桜の木とともに、取り巻く色も変わるらしい。 夏には緑、秋には赤か黄色、冬には銀色に変わった。 私は近所の桜の精と毎日遊んだ。春夏秋冬、春夏秋冬、春夏秋冬。 いつの間にか100年たっていた。 とある冬の日。幸せはつぶれた。  空気が乾燥している日だった。 森の端に雷が落ちた。不思議と雨は降っていなかった。 雷は炎になり、燃え広がった。木を1本、2本と呑み込んでいく。辺りは桜の森から炎の森へと変わっていった。 下に近所の桜の精がいた。こちらに向かって叫んでいる。 「あなたの木の下に桜の木の種が落ちてる。それに乗り移って逃げて。あなたは最年少なんだから」 私は種に乗り移って逃げた。ひたすら転がり、止まるまで転がる。  崖の先端で種が止まった。そこからは、先程までいた桜の森が良く見えた。さんが止まったのを見はからったかのように、大雨が降り始めた。炎は消えた。 忘れたくなかった。新たな木になって、記憶を忘れたくなかった。  でも、生き残らなければ。 決心をして、やわらかな眠りに沈みこんだ。 深い深い眠りに。 ある森で火災があった。その焼け野原に集落ができた。火災から10年後の春のことだった。 その集落からは崖の先端にある山桜の木が良く見えた。 人々はその桜には精がいるといって、祀った。山と名前をつけて。 山……さん……と呼ばれた精は、木の上で笑った。 衣を銀色から桜色に染めなおして。110年前のあの日のようだと思いながら。 感想もらえると嬉しいです。

みんなの答え

辛口の答え

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語彙力がすげぇ…

一瞬でファンになりました!! こんな素晴らしい作品書ける気がしないです。 そもそも主の語彙力は今行方不明中笑 短編小説が再開したらまた、みたらし団子様の 素敵な作品を読みたいです!! さいなら★バイチャ


天才現る...

ガチで天才やん...感動した そして語彙力すごいやん... もう物語の映像がパーーって頭に浮かんでくるもん(語彙力低下中)


泣きそうになったよお!

やっほー!!!!通りすがりの旅人だよおおおおお!!!!! この小説、とってもいいお話! 泣きそうになった(笑) 私も小説書いてるんですけど、全然レベルというレベルが違いますね! こんないいお話がいつか私も書けたらいいなー。 それじゃ、ばいばああああ!!!!!!!!い。


感動しました!

作家さんが書いた物語みたい! すごいですね


びっくり

びっくりしました。これほど凄い作品をを11歳で、書けるなんて、凄いです。私もこういう素敵な物語が書けるようになりたいです。


わあぁ

素敵です!!!!! どうしてそんなに上手く書けるんですか? 羨ましいです。。。 私、みたらしだんごさんのファンです!!!!


作品がすごいです♪(2回目回答)

桜の山ちゃん可哀想に。 よく生き残れましたねー。 みたらしだんごさん素敵な作品ありがとう♪ では!


ヤバい。

すごすぎます。面白い! この文章力は控えめに言って、神ですね。 同い年には思えませんっ。 小説家の才能があります!


え、え、同い年!?

こんにちは!ニックネームは響香だけどヒロアカの最推しは轟焦凍です! 名前を覚えてくれたら嬉しいです。 本題へ。 え、11歳!?私と同じじゃないですか!11歳でこの文才って凄すぎです! 是非是非小説家になって欲しい!感動しました!! 特に最後の「衣を銀色から桜色に染め直して。110年前のあの日のようだと笑いながら」ってとこ、凄い良い! もし短編小説復活したらまた書いて欲しいです! では!


すごい!

とっても表現豊かでいい作品だと思います。 最後はとてもしんみりとした気持ちになりました。 これからも頑張ってください。 新しい作品待っています♪


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