寝てるばかりじゃ無いんです
いつもと変わらない動作でお気に入りの黒色のソファーの上に乗り、体重を預ける。小さく丸まり、目を閉じる。開いた窓の外からは暖かい太陽の匂いが漂う。 今日も相変わらず平和だ。 クワッとあくびを一つこぼし、眠りにつく。 次に目を開けるともう外はすっかり暗くなっていた。腹の虫が鳴いたのでソファーから起き上がり、伸びをする。そしてのそのそとキッチンへ向かう。 パリパリといつものご飯をほうばりながらフと考える。 自分がここに来たのはいつだったか。寒い日だったような気もするし、暖かい日だったような気もする。 いくら首を傾げて考えても出てこない答えに「はぁ…」とため息を吐く。 でも外に出ようなんて思わない。ココはご飯はなにもしなくても出てくるし、ずっと寝ていても安全だ。いつも適温がこの空間では保たれている。 それに… ガチャリと玄関の鍵が回る音がした。玄関の方へ走っていくと扉が開き、スーツを着た男性が入ってきた。 「ただいまー。コテツ、いい子にしてた?」 しゃがんで僕の名前を呼び、頭を無遠慮に撫でて来るのはあの時僕を拾ってくれた名も知らぬ男だ。 「にゃー」 こうやって返事をすればコイツは「なんだよぉ」とニヤニヤして喜ぶ。 「なんで猫ってこんなに可愛いんだろう。どうせ今日も朝からいなかった俺の事なんて知らんぷりでずっと寝てたんだろー?」 コイツは膝の上に僕を強制連行し、「ヨシヨシ」と言って頭から尻尾まで優しく撫でる。 誰が「知らんぷりでずっと寝てたんだろー」だ。お前が居ないと一日中ご飯は補給されないし、お前が片付けたオモチャどこかわからないしで暇なんだぞ! それにっ、撫でて欲しいし、声も聞きたいし、膝の上に乗りたいし…実は寂しかったりするし…。 絶対、絶対!コイツには言ってやんないけど!! そうやってココロに気持ちを秘めていつものようにプイと無視し、毛繕いをする。 でも気が付いたら喉がゴロゴロとなっていて、コイツはボソッと呟いた。 「ツンデレ…」 __ こんにちは三原色です。 誰視点の小説かわかりましたか? コレは猫視点の小説になっています。 初めて短編小説に手を出しました。文才は逃走していますが、どうぞご感想を宜しくお願いします。目を通していただき有難う御座いました。