短編小説みんなの答え:7

キンギョの恋人

僕は、スイホウガンのスイ。 老舗金魚屋さんにいる。 ボクは、特別にここのオーナー、佐藤さんに気に入られていて、誰にも売られることもなくずっと佐藤さんのお家にいる。 僕が初めて佐藤さんに出会ったのは、卵から孵化した時だ。 佐藤さんは女の人で、目が合った時にドキッとした。 1年経った今なら分かる。 あれは恋だったんだって。 ある日― 「やあ!今日はキミもお店に行こうね!」 佐藤さんがニコニコしている。 ボクも心の中でそっとニヤけた。 【お店】 「じゃあ行くよ!」 早く早く。 ジャボン。 小さい水槽に入れられた。 1時間後。 ボクのおなかがグーグーなっているとき、佐藤さんと同じくらいキレイで優しそうな人がいた。 しばらく見つめあった。 その人はついに、 「この、スイホウガン下さい」 と佐藤さんにいった。 「はい。私が大切に育てた金魚ですので、大事に飼ってください。」 「はい」 「配達ですか」 「はい。家が鳥取なので。」 「わかりました。」 お客さんが帰ると、佐藤さんが付箋を貼りながら言った。 「私がいないけど、ちゃんと頑張ってね!」 うん。 付箋付きの袋に入れられ、貨物列車に入れられた。 すぐに飼い主のおうちについて、飼い主さんの水槽に入れられた。 えさはボクの大好物で、ボクの好きなおもちゃのウキクサも入っていた。 この人はなんでわかったんだろう。 どっちみち、ここでも頑張らなくちゃ。 飼い主さんも優しいしね。 ボクの心には、希望の光がさし、雨が降っていた外も晴れた。       【終わり】 コメントお願いします!

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