キライな君を
「言っとくけど私、君がキライだよ」 可愛くて優しくて元気な澪(みお)が、そういった。 僕は、学期末の大掃除をしてて・・・・。 僕は窓拭きをしてた。 拭けば拭くほどキレイになるのが面白かった。 あ、そう・・・・一緒に窓ふきをしてた、澪。 澪は僕を見て、 「顔、汚れてる」と言う。 「あ、ありがと・・・。」 急いで拭くと、ハンカチに黒いものが付いた。 「ほこりか汚れか、何かだろうね」 澪は笑って、また窓拭きにかかる。 「・・・なあ、澪」 僕はしゃべっていた。 「お前、好きな人いんの?」 聞いた僕が悪かった。キライだという澪は悪くないんだ・・・・。 「言っとくけど私、君がキライだよ」 そしてさらに、澪は言った。 「君は、私が好きだったの?」と。 僕は慌てて言う。 「女子なんてみんな、キライだよ」と。 言ってしまった。 言うつもりじゃなかったのに。 僕は、好きな人がいるのに・・・・・。 そして4年後、小学六年生。 「・・・なあ、澪」 僕はしゃべっていた。 「お前、好きな人いんの?」 聞いた僕は、まただ、と思った。 4年前もやらかした質問、してしまった。 ヤバい・・・・・。 「言っとくけど私、君がずっと好きだったんだよ」 ――え? なんで? キライって、言ってたでしょ。ずっと好きだっただなんて、嘘だよね? おかしい、おかしい・・・・・ 「嘘ついててゴメン。好きだよ。でも、汚れた顔の君はキライかな」 僕は慌てて拭く。 ハンカチに黒いものが付いた。 「ほこりか汚れか、何かだろうね」 澪は笑って、 「カッコイイよ」と言った。 僕は言い返す。 「僕も、汚れた服の君はキライかな」