とある相談所の天使
さて、あなたはどうしたの? それは、辛いね。分かったフリしないでって? ・・・・・・ごめん。私にあなたのことが分かるわけないってことはずーっと前から知ってるよ。でもね、私はあなたに諦めてほしくないの。 誰かに嫌われた? そんなのどうだっていいよ。まず、その子があなたに直接「嫌い」とでも言ったの? 心の中なんて分かりゃしないでしょう。もし仮にそうでも、自分のことを嫌ってる人とまだ仲良くしたいと思う? 私は嫌だな。 嫌われたくないって? この世界に、全人類から好かれている人なんている? いないでしょ。嫌いだって思ってる人は少なくとも一人はいるよ。 友達と喧嘩した? 喧嘩しないほうが珍しいわ。私なんか喧嘩できるような友達もいないよ。 部活を辞めたい? 後輩に抜かされる? なんで後輩のせいにして逃げるの? あなたは何でその部活に入ったの? あなたが選んだんでしょう。じゃないと今まで続けられないわよ。 勉強についていけないって? あなたが自分に合う勉強法を知らないだけね。とにかく、興味のあるものはとことん学びなさい。 推しが結婚した? これからも推し続けるのが義務であり、権利なんじゃないの? 推しがいるほうが羨ましい。 もう疲れた? 数え切れないほどの人間の相手になってきた私のほうが疲れてるわよ。あなたは命の尊さというものを知らないのね。人生は一度きりって言うじゃない? とことん楽しみなさいよ。 ほら、何をめそめそしてるの? 立ち上がりなさい。前を向きなさい。そして歩き始めるの。長い長いあなたの人生を。まだここは人生のプロローグなのよ。エピローグまでどれだけあると思ってるの? 頑張れなんて言わないから。もう二度とここへは来ちゃだめよ。上から応援してるから。うん、じゃあね。行ってらっしゃい。 「はぁ・・・・・・」 地上へと続く階段を降りて行った相手を見送る。その日の仕事を終えた天使はため息をついた。 「私も、行きたいな」 5代目の天使である彼女にとって、人間界というものは羨ましく、希望に満ちた世界だった。 ~Fin~ 舞音です! 今回は珍しく事故もなく平和?に終われました。空想の物語ですが、天使という題材で誰かに語りかけるように書きました! 少々毒舌の天使ですが、それは気にしないでください。どうか、皆さまの悩みが軽くなりますように。