空席
私の隣の席は、誰も座っていない。 「今日も麗木の奴来てないねーー」 「花でも机に添えたら?」 「いいね!」 麗木さん…。いじめが原因でこの学校に来なくなった、わたしの唯一の友達。 「あ、華衣さーん。華衣さんの家に花とかあるーー?」 「あと、こっちに来てくんない?」 みんなの方に行くと、クラスの一人が、「麗木の机に落書きしよー。」と提案した。 「そうだね~。どうせ担任は注意とかしないし。華衣さんも手伝ってね。」 「え、いや。その…。」 私が答える間もなく、クラスのみんなで麗木さんの机に悪口を書いた。 吐き気がする言葉を笑顔で楽しそうに書いているの見て、私はめまいがして……。 「やめなよ。そんなこt」「口答えするの?ウケるwww。まぁ、麗木はあんたの唯一の友達だったもんね」 ……。私は言いたいことをみんなに伝えることができずに黙って、机に落書きされるのを見つめていた。 授業中、私はさっきの出来事を思い浮かべると、吐き気がし、途中で保健室に言った。 私は、保健室で役に立たない自分に涙を流し、ずっとこの苦しみが解決する方法について考えた。 それから何日か経って、土曜日。 私は、思い切って、麗木さんの家に行くことになった。 目の前に麗木さんの家があり、私は、今チャイムを押そうとしているところだった。 ……………ピーンポーン。 ………ガチャ。「……こんにちわ、麗子さん。」 「………え?華衣さん?どうしたの?」 私は、麗木さんの顔を見た瞬間、涙が止めらなくなってしまった。 嬉しい。ごめん。とかそういうことが頭にずっとあった。 部屋に入り、とりあえず、沈黙が続いた。 その沈黙を破ったのは、「華衣さん。…なんでこんなわたしに会いに来てくれたの?」麗木さんだった。 「言いたいことがあったんだ。」 「そっか。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 「……その伝えたいことって何?まさか私に学校に来いって?」 「…行かないからね。もう。怖いから。カッコ悪いけど」 「………ううん。来いとは言わないよ。」 「…………?」 心がバクバクしてる。緊張する。でも、言わないと……。 「麗木さん。無理して、学校に来なくていいよ。無理して。逃げることはカッコ悪いことじゃない。」 「…でもさ、もう取り返しがつかないことをするのは…やめてね。」 「麗木さんの席に誰もいなくなる前の日、あなたはこう言った。「死にたい」って。」 「でもさ、それだけはやめて、お願い…。もう、誰も失いたくないから…。」 言えた。言いたいことは言えた 「………華衣さん……。…………、泣いていいかな?」 「…いいよ。私もなきたいし、」 二人で泣いて、泣いて、泣いて、泣いた。 「麗木さん、一ついい?」 「いいよ。」 「ホントはあなたと一緒に学校に行きたい。本当はね?だから、もし心の準備ができたらいつでもいいから学校に来てくれない?」 「……あはは。そう言うと思った。うん。今は行かないけど、いつかね!」 「…あと、学校に来るときは、私が麗木さんを守るから。」 「ありがとう…。」 わたしの隣の席は、誰もいない。 でも、いつか、この空席に笑顔で麗木さんが座っていることを願う。 願う。