短編小説みんなの答え:3

救世主への片思い。

僕は、笹木勇人。ささきゆうと、と読む。 僕は、眼鏡で地味な男子。服やお洒落なんて興味ないし、ただひたすら勉強させられているだけのごく普通な小学6年の男子。 そんな僕はいじめにあっている。 物は隠され、絵の具で汚される日々。いつも殴られて蹴られっぱなし。そんなの6年間ずっと続いているくせに、僕はそんなの全然慣れない。ただいつも泣いて自分の殻に閉じこもるだけだ。 どうせ、誰も助けてくれない。そう思っていた。 掃除はみんなが押し付ける。女子も一緒になることが多い。 「今日も勇人がやるんだよ?わかった?」 「うちらは掃除なんてやってやんないから」 「かわいそ!」 「キャハハハ!」 こんなの、いつものセリフ。 涙を必死に堪えて掃き掃除から始める。 すると、 「ねぇ、あんたたちやめなよ。あんたたちも勇人くんみたいに惨めな思いしてやってもいいんだよ」 ふざけていた男子と女子は静かに帰った。 「あの、ありがとう」 「そんな、大したことじゃないよ。こういうの救世主って言うよね。私、そういうの見てられなくて」 「あっ!ごめんっ。私の名前は風春愛美。かぜはるまなみって読むの。よろしくね!」 「えっ!あ...あ...よ、ろしく」 愛美のことを僕はすぐに好きになった。愛美は6年2組。僕は6年8組。クラスは随分離れている。話す機会も少ないが救世主の愛美に尊敬感を抱いた。 「おはよ!」 「あ!また会ったね!」 僕はいじめが続くと思っていた。しかし、 「そういえば、いじめのことだけど私から校長先生へ話しておいたよ」 いじめなんてなくなった。学校に行く日々が楽しいと感じるようになった。 「あらっ?すっかり元気になったわね。なにか楽しいことでもあった?」 「内緒っ!」 「お前、恋愛でもする気か?」 「違います。お父さん」 お父さんは勉強にしか興味のない硬い人だ。 ー時は経ちー 夏休みになった。僕は塾の夏期講習などで忙しく遊ぶ暇なんて無い。愛美は今、何をしているのだろうか。 愛美目線ー 今日は、川にいこう。 地獄の日々から抜け出せる。 やっと。 ー勇人ー ある日、愛美は亡くなった。死因は自殺だった。家庭内では虐待され、学校でもいじめを受けていたようだ。 僕は愛美に甘えていたのだ。僕が愛美を苦しんでいたんだ。 学校の机の中に手紙が入っていた。 「勇人くんへ この手紙を読んでいるということは私はこの世にはもういないね。 私は勇人くんが好き。苦しんでいても勇人くんのおかげで支えてもらえるような気持ちになれたよ。 学校生活は楽しくなった?ご飯はしっかり食べている? 私がいなくてもこの手紙を読んで頑張って。 そして最後に書いておくけど、私の居場所を書いておくね。 ◯◯川 〇〇付近」 涙が止まらなかった。 心のなかで必死に叫んだ。 「愛美。愛してる」

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