短編小説みんなの答え:8

死神 (ホラーではないです)

「ねえお父さん。学校の友だちがね」 当時俺は死神の話を父に話した。 「死神?小さい頃よく噂してたなあ」 父は俺の話を笑いながらも真剣に聞いてくれていた。 「死神って本当にいるの?」 「死神ねえ…」 父は語り始めた。 話し方と話題からして多分死神目線の物語なんだろう。 とてもいい仕事なわけではないさ。 人間のイメージとは違って罪のない人の命を急に奪っていくわけではない。 罪を犯した人の命をギリギリで奪っていくっていう簡単な仕事。 やりがいもなく、ひどい仕事だよ、全く。 まあ、でも俺はこの仕事を続けてしまうんだ。何でだろうな。 ここで場面は変わったようだ。違う人の場面だろう。 僕も初めて見ました、死神。 大人しそうな人でしたよ、結構。 もっと怖いかと思ったけど、そうでもなくて…。 仕事が楽しそうでした。 けど一つ怖かったのはあの目。 どんよりと真っ赤に光ってたんです。 目を合わせたら引きずり込まれそうで、慌てて目をそらしましたけどね。 ここで父の語りは終わった。 父の演技に俺は思わず拍手をした。 父は笑って言った。 「死神はどう思ってるんだろうな」 「すごいね、怖いけど格好いい。僕死神になってみたいな」 俺がそう言うと父は笑って言った。 「やめとけ」 俺も一緒に笑った。 だが、その後、父が小声で呟いたのを、俺は聞き逃さなかった。 『近いうちに他の職業を進めないとな…あんな仕事やらせるわけにゃ…』 俺は振り向いた。そしたら父は微笑んでおやすみ、と言った。 その目はどんよりと赤く光っていた。 【終わりです】

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